第104回国会(常会)
答弁書第二六号
内閣参質一〇四第二六号 昭和六十一年四月一日 内閣総理大臣 中曽根 康弘
参議院議員藤原房雄君提出畜産物の価格安定等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員藤原房雄君提出畜産物の価格安定等に関する質問に対する答弁書 一の(一)、二の(一)及び三の(一)について 畜産物の輸入については、合理的な国内生産による供給を基本とし、関係国との友好関係に留意しつつ、国内の需給動向を踏まえて適切に行うことを基本としている。 一の(二)について 今後、牛乳・乳製品の需要は、従来のような高い伸びが期待しにくいため、生産者においては、質的充実による経営の体質強化と低コスト生産を行うことがこれまで以上に強く要請されている。
一の(三)について 御質問の昭和六十一年度の加工原料乳の保証価格等については、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法(昭和四十年法律第百十二号)の規定に基づき、生乳の生産条件及び需給事情その他の経済事情を総合的に考慮し、畜産振興審議会の答申を踏まえ、適正に決定したところである。 一の(四)について 酪農経営負債整理資金については、昭和五十六年度から五カ年計画で融通を行つており、この間において、借受農家は逐年減少するとともに、借受農家の生産性、収益性も逐年向上している。
一の(五)について EC諸国における酪農は、生乳生産と牛肉生産を一体的に行う経営であり、生乳生産を主体とする北海道の酪農とは経営内容を異にしているが、農家一戸当たりの乳牛成畜飼養頭数は、EC諸国平均が十六・五頭(昭和五十八年)であるのに対し、北海道は二十八・六頭(昭和五十八年)であり、また、経産牛一頭当たりの搾乳量は、EC諸国平均が四千三百七十五キログラム(昭和五十九年)であるのに対し、北海道は五千七百六十一キログラム(昭和五十九年)であり、既に、EC諸国並みの水準を実現している。 二の(二)について 肉用牛生産については、我が国の土地利用型農業の基軸として位置付け、長期的観点から総合的な振興・合理化を図ることとしており、牛肉価格安定制度、肉用子牛価格安定制度等により経営の安定を図るとともに、(1)飼養規模の安定的拡大、(2)低コスト経済肥育の普及、(3)経営内・地域内一貫生産の推進、(4)乳用種の肉利用の一層の推進、(5)中長期の目標としてのバイオテクノロジーを活用した受精卵移植技術の開発及び普及等を図り、生産の拡大と生産性の向上に努めてまいりたい。 三の(二)について 豚肉の調整保管については、昭和六十年十一月末から畜産振興事業団の助成による事業を実施し、豚肉の価格は着実な回復を見たところである。
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