質問主意書

第104回国会(常会)

答弁書


答弁書第一〇号

内閣参質一〇四第一〇号

  昭和六十一年二月二十八日

内閣総理大臣 中曽根 康弘   


       参議院議長 木村 睦男 殿

参議院議員喜屋武眞榮君提出国家秘密保護法制定をめぐる動きに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員喜屋武眞榮君提出国家秘密保護法制定をめぐる動きに関する質問に対する答弁書

一及び二の(1)について

 我が国では、現行法制上いわゆるスパイが自由に活動し得る余地があり、これを「スパイ天国」と称することが可能である。
 なお、戦後我が国において検挙された各種のスパイ事件は、六十件余に達しているが、これらの多くは、いわゆるスパイ行為自体ではなく、それに関連して行われた各種法令違反の事実で検挙されたものである。

二の(2)について

 これまで検挙されたスパイ事件について、現行法制では国家秘密の保護という観点から十分に対処し得なかつたとして、新たな立法措置が必要であるとの意見も存するところである。なお、この種立法に当たつては、国民の基本的人権や、いわゆる知る権利などにかかわる問題もあるので、各般の観点から慎重に検討されるべきものと考える。

三について

 行政情報の公開については、昭和六十年十二月二十八日付け閣議決定「昭和六十一年度に講ずべき措置を中心とする行政改革の実施方針について」等により、文書閲覧窓口制度の整備・充実等行政運営上の所要の改善方策を推進するとともに、制度化の問題についても、関連する諸制度、諸外国の制度運用の調査研究等を進めることとしている。