質問主意書

第104回国会(常会)

質問主意書


質問第四五号

憲法第七条をもつて衆議院議員たる公務員を罷免することに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和六十一年五月七日

飯田 忠雄   


       参議院議長 木村 睦男 殿


   憲法第七条をもつて衆議院議員たる公務員を罷免することに関する質問主意書

 昭和六十年十二月二十日付の質問主意書に対し、昭和六十年十二月二十七日付の内閣の答弁書(内閣参質一〇三第二二号)は、「衆議院の解散は、憲法第七条において天皇の国事に関する行為として規定されており、この場合、実質的に衆議院の解散を決定する権限を有するのは、天皇の国事に関する行為について助言と承認を行う職務を有する内閣である」と述べるにとどまり、私がお尋ねしたことに対し、適切に答えていないので、次の点について、更に質問する。

一 衆議院の解散により、衆議院議員の全員を任期前に罷免することになる。かような公選公務員の罷免権について、憲法第十五条は、国民固有の権利としている。
 ところで、内閣の主張するところは、内閣は実質的に衆議院の解散を決定する権限を有するというが、それでは、衆議院議員の実質的罷免を決定する権限を有するのは内閣であるということになるが、内閣の見解はそのようであると解してよろしいか質問する。

二 内閣が実質的に衆議院の解散を決定する権限を憲法第七条を根拠に有するというが、同条は、衆議院解散にあたり天皇が行う国事に関する行為について内閣の助言と承認が必要である旨を規定しているにとどまり、同条が国政に関することについての規定ではないことは、条文に明らかである。それ故、同条を根拠に内閣が国政行為にあたる衆議院解散の実質的決定権を有するとするのは、独断をもつて憲法を改めるものであるとの批判が生ずるゆえんである。このことについて、従来内閣の答弁書が繰り返し述べてきたところは、本議員を納得させる合理的理由がでない。よつて納得しうる理由を示して説明されたい。

  右質問する。