質問主意書

第104回国会(常会)

質問主意書


質問第二九号

衆議院解散詔書の効力に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  昭和六十一年四月二日

飯田 忠雄   


       参議院議長 木村 睦男 殿


   衆議院解散詔書の効力に関する質問主意書

 天皇が衆議院解散詔書を発することは、天皇の国事行為であるから、憲法第四条との関連で、国政に関与するものではない。従つて、この詔書には衆議院を解散する法律上の効力はない。それは、衆議院が解散されたことを宣明するいわば公示文書の性質をもつにすぎないと思われる。それ故、解散詔書が発せられた事実のみをもつて、衆議院の解散が実現されたとは言い難いのである。衆議院の解散は、憲法の明文によつて解散詔書発布の前に決定されていることが必要であるのに、従来は、この解散権の帰属者である主権者国民の投票もしくは国民の代表機関たる国会の決議もないまま、内閣の助言承認による天皇の国事行為としての解散詔書の発布のみで解散が実現したものとされてきた。これでは、解散詔書を以つて、事実上解散命令詔書とすることにほかならない。従来、内閣は、いかなる憲法上の明文に基づいて、右のような憲法第四条に違反する助言と承認をしてきたのか、憲法の明文及び理由を示して答弁されたい。

  右質問する。