第104回国会(常会)
質問第一七号
OTHレーダーの運用に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。 昭和六十一年三月十七日 秦 豊
OTHレーダーの運用に関する質問主意書 OTHレーダーについての最近の政府側答弁では、なお曖昧な点が残されているが、特に次の諸点について明らかにされたい。 一 横浜市上瀬谷に建設される米海軍の「艦隊作戦監視情報センター」(FOSIC)は、どんな機能と役割を持つているのか。 二 わが国が設置するOTHレーダーの情報は、システムとして恒常的にこのFOSICに集中されるのか。
三 アムチトカやグアムに建設される米海軍のOTHレーダーと、わが国が設置するOTHレーダーは、一種のネットワークを形成するのではないか。 四 OTHレーダーのいわゆるソフトは、どのようなものによつて構成されているのか。 五 OTHレーダー本体に附属しているソフトは、いわば第一次的なものにすぎず、それだけでは、正確かつ的確な判断の資料は得られないのではないか。 六 上瀬谷のFOSICが備えているのが最終的なソフトの本体であり、そのシステムの解析と整理によつて、初めて、第一次的な生データが作戦上の判断を下すに足る有効性を持つのではないか。 七 今国会において政府は、「OTHレーダーについては日本独自の運用が可能である」旨答弁しているが、OTHレーダーの本体だけを独自に運用して得られるデータの精密さや有効性について、政府は確信を持つているのか。 八 バイカル湖周辺からカムチャツカ半島に至る広大なエリアを対象とした場合、「日本独自のOTHレーダー一基」だけで、どの程度の効果的な運用ができるのか。米海軍又は空軍のOTHレーダー群との連係なくして成り立つと考える根拠は何か。 九 米国防総省は今、グローバルなサーベイランス・システムを構想している。それは、同盟諸国の得た情報を一元的に統合し、その解析結果を同盟諸国の要請に応じて提供しようとするもので、まずNATO諸国で実施する計画と聞くがどうか。 十 太平洋地域におけるOTHレーダーの運用も、この構想の埓外であるとは到底考えられない。したがつて、防衛庁のいうような「独自の運用」などは、きわめて非現実と考えるが、政府の見解を伺いたい。 右質問する。 |