第104回国会(常会)
質問第六号
那覇空港における米軍機の緊急着陸事件等に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。 昭和六十一年一月二十九日 喜屋武 眞榮
那覇空港における米軍機の緊急着陸事件等に関する質問主意書 最近一カ月の間に、沖縄県の那覇空港及びその近くで、米軍機による異常な事件が三件も相次いで起こつている。
一 政府は、このように那覇空港で頻発する米軍機による異常な行動について、どのように認識しているのか。 二 昨年十二月二十一日のニアミス事件は、全日空一二二便の機長によつて、運輸省に報告されたものであるが、事件発生の事実とその原因について、米軍側に対する調査を含めて、その後の調査結果ないし経過を明らかにされたい。 三 今年一月五日の緊急着陸事件について、報道によれば、米軍パイロットは、当時、米軍用の嘉手納、普天間の両飛行場は、強風(突風二十一ノット)のため、民間の那覇空港に緊急着陸したと言つているが、当日、同時刻のこれ等の空港及び飛行場の気象状況を、晴雨、気温、湿度、視界、風向、風速、風力等を含めて明らかにされたい。 四 前記一月五日の事件について、那覇空港への緊急着陸が、最善の処置であつたと政府は認めるのか。それとも、他に適当な緊急避難処置が可能であったと判断するのか、明らかにされたい。 五 去る十九日の緊急着陸事件に際して、報道によれば、米軍パイロットは、那覇空港に着陸した理由について、「当時、普天間飛行場は、滑走路閉鎖のノータム(飛行情報)が出ており、嘉手納飛行場は混雑していた。」と報告しているとのことであるが、このパイロット報告の真否について、調査し報告されたい。
六 前記十九日の事件に関して、沖縄県当局者の一人は、「距離的に見て伊江島補助飛行場(米軍用-質問者注)でも使えないことはない。なぜ、那覇空港に降りなければならないのか。」と述べたと報道されているが、この点について、政府はどう考えているか。
七 前記二件の米軍機の那覇空港への緊急着陸事件は、那覇空港が、自衛隊との、いわゆる軍民共用空港であるが故に、米軍パイロットには、同空港が、民間空港である点についての認識が欠けているか、それとも、きわめて、稀薄であるかのいずれかではないのか。この点について、政府は、強く米軍に対して、周知徹底せしめるべきであると思うがどうか。 八 政府は、米軍に対して、民間空港である那覇空港を安易に使用しないよう厳重に申入れをすると同時に、このような緊急着陸事件が、今後、慣例化しないような措置を採るべきであると思うがどうか。この点に関する政府の明確な見解を求める。 右質問する。 |