第103回国会(臨時会)
第百三回国会答弁書第二二号
内閣参質一〇三第二二号 昭和六十年十二月二十七日 内閣総理大臣 中曽根 康弘
参議院議員飯田忠雄君提出衆議院解散権の帰属に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員飯田忠雄君提出衆議院解散権の帰属に関する質問に対する答弁書 一について 御指摘の憲法前文の規定においては、国会の権能が定められているとは考えていない。 二について 憲法第七条各号に掲げられている国事に関する行為について実質的に決定を行う権限を有するのは、天皇の行う国事に関する行為について助言と承認を行う職務を有する内閣であると解している。 三から五までについて 衆議院の解散は、憲法第七条において天皇の国事に関する行為として規定されており、この場合、実質的に衆議院の解散を決定する権限を有するのは、天皇の国事に関する行為について助言と承認を行う職務を有する内閣である。 六について 憲法第六十九条は、同条に規定する場合には、内閣は、「衆議院が解散されない限り」、総辞職をしなければならないことを規定するにとどまり、内閣が実質的に衆議院の解散を決定する権限を有することの法的根拠は、憲法第七条の規定である。 七及び八について 憲法第七条の規定により、内閣は実質的に衆議院の解散を決定する権限を有しており、このことが内閣の権限の逸脱あるいは憲法違反という問題になることはないと考える。 |