質問主意書

第103回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一五号

内閣参質一〇三第一五号

  昭和六十年十二月十三日

内閣総理大臣 中曽根 康弘   


       参議院議長 木村 睦男 殿

参議院議員峯山昭範君提出ねじ工業等小規模下請企業の振興施策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員峯山昭範君提出ねじ工業等小規模下請企業の振興施策に関する質問に対する答弁書

一について

 現在の円高の進展は、大きな流れとしては望ましいものと考えているが、中小企業を中心に一部の業界等への影響が懸念されているところである。このため、円高によつて影響を受けている輸出関連中小企業者等について、経営危機を回避しつつ、事業転換、内需転換等の企業経営の調整を図ること等を目的として、昭和六十年十二月二日から政府系中小企業金融三機関等による特別融資制度の創設をはじめとする諸措置を講じたところである。

二について

 今後の状況の推移によつて、改めて判断することとしている。

三について

 下請取引の適正化については、従来から下請代金支払遅延等防止法(昭和三十一年法律第百二十号)に基づき所要の措置を講じ、その運用の強化に努めてきているところである。
 また、昭和六十年十一月十九日には、通商産業大臣及び公正取引委員会委員長連名で、親企業が円高による影響を値引き、買いたたき等の形で下請企業に不当に転嫁することのないよう、親事業者及び親事業者団体に対し、下請代金支払遅延等防止法の遵守等を内容とする通達を発したところであり、今後とも、特に不当値引き、買いたたき等の防止に留意しつつ、同法の厳正な運用に努めてまいりたい。

四について

 ねじ製造業が今後の発展を実現していくためには、技術水準の向上が重要である。
 このような観点から、政府としては、ねじ製造業が現在構造改善事業の一環として進めている技術開発事業を金融及び税制の面から支援しており、また、中小企業事業団が、昭和五十九年度から昭和六十一年度までの計画で、ねじ用全数自動検査装置の委託開発を行つている。
 このほか、中小企業対策として、技術研修、技術指導、技術開発の助成等各種施策を講じているところであり、ねじ製造業者によるこれらの施策の活用を期待している。

五について

1 ねじ製造業においては、技術力の向上及び企業経営基盤を強化するとともに、製造設備の近代化、技術水準の向上、ねじ製造企業の共同事業の実施、人材の養成等を進めることが望ましいと考えている。
2 ねじ製造業については、中小企業近代化促進法(昭和三十八年法律第六十四号)第四条第一項の特定業種として、昭和四十六年度から昭和五十一年度までの構造改善計画に基づき、第一次構造改善事業が実施され、現在、昭和五十六年度から昭和六十一年度までの構造改善計画に基づき、1において述べた内容の構造改善事業が実施されているところである。これらの構造改善事業は、ねじ製造業の発展に寄与するものであり、政府としても、その実施に関し、金融及び税制上の助成措置を講じているところである。