質問主意書

第102回国会(常会)

答弁書


答弁書第三五号

内閣参質一〇二第三五号

  昭和六十年五月十四日

内閣総理大臣 中曽根 康弘   


       参議院議長 木村 睦男 殿

参議院議員秦豊君提出大韓航空機撃墜事件のその後の真相解明に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員秦豊君提出大韓航空機撃墜事件のその後の真相解明に関する質問に対する答弁書

一、三及び五について

 自衛隊のレーダー記録上、大韓航空機の高度については、午前三時十二分から同三時十五分まで、午前三時十五分から同三時二十三分まで及び午前三時二十三分から同三時二十九分までの間には、それぞれ約三万二千フィート、約二万九千フィート及び約三万二千フィート以外の数値は、記録されていない。また、午前三時十五分及び同三時二十三分における高度については、それぞれ約二万九千フィート及び約三万二千フィートの記録がある。なお、これ以上詳細な高度の変化は、レーダー記録上不明である。
 レーダー記録上、大韓航空機の速度については、初度探知時(午前三時十二分)に約四百三十ノットの記録がある。午前三時十四分以降については、航跡図から一定の時間における平面的位置の変化を基に計算しているので、特定時刻における速度を示すことはできないが、午前三時十四分から同三時十九分まで及び午前三時十九分から同三時二十九分までの平均速度は、それぞれ約四百三十ノット及び約四百五十ノットである。また、速度の状況を詳細に公表することは差し控えたいが、レーダー記録上、大幅な減速等の特異な状況は認められない。

二について

 本件に関するレーダー記録は、三沢の防空管制指令所で総合処理されたものであり、各レーダーサイトごとの探知状況は示されていない。
 稚内、網走及び根室の各レーダーサイトから午前三時十二分における大韓航空機の位置までの平面的直線距離は、それぞれ約百六十海里、約二百二十海里及び約二百七十海里である。
 なお、レーダーの設置地点の海抜は、レーダーの探知距離に関係する事柄であるので、公表することは差し控えたい。
 また、御質問のDC8型機に係る自衛隊のレーダーの探知状況については、記録が残つておらず、不明である。

四について

 事件発生当時午前三時二十九分における大韓航空機の高度を公表するに当たつては、慎重を期するため、おおむね三万フィートという幅のある表現を採つたものである。

六について

 スクランブル機Aについては、部分的に約二万四千フィートの高度が記録されているが、御質問の時刻における高度は、レーダー記録上不明である。