質問主意書

第102回国会(常会)

答弁書


答弁書第三四号

内閣参質一〇二第三四号

  昭和六十年五月十四日

内閣総理大臣 中曽根 康弘   


       参議院議長 木村 睦男 殿

参議院議員秦豊君提出有事における海峡封鎖に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員秦豊君提出有事における海峡封鎖に関する質問に対する答弁書

一、二、十一及び十二について

 御指摘の政府の統一見解は、特定の具体的な事態を念頭においたものではない。
 御指摘の極東有事等の仮定の問題について、政府としてあらかじめ見解を述べることは差し控えたい。
 いずれにせよ、統一見解に述べているとおり、米国の要請に対する我が国の対応は、我が国自身の安全の確保という国益の観点から自主的判断に基づいて行うものである。

三から六までについて

 我が国に対する武力攻撃が行われた場合において自衛隊と米軍が共同して対処する際の海峡防備のための作戦については、「日米防衛協力のための指針」にもあるとおり、海上自衛隊が主体となつて実施し、米軍は、海上自衛隊の行う作戦を支援することとなつているが、その具体的態様等については、事態の様相等によつて異なり、一概に述べることは困難である。
 なお、日米共同作戦計画の研究の内容については、事柄の性質上答弁することを差し控えたい。

七、八及び十について

 海峡防備のための作戦は、我が国を攻撃している国に属する艦船の自由な通峡を制約し、広域哨戒、船団護衛等他の諸作戦との累積効果によつて我が国の防衛に寄与することを目的とするものである。海峡防備のための作戦の効果及び同作戦に必要な能力については、事態の様相等によつて異なり、一概に述べることは困難である。
 なお、「防衛計画の大綱」に定める防衛力の水準が達成されれば、その能力は現在に比べ相当向上するものと考えている。

九について

 海上自衛隊の現有装備のうち機雷敷設能力を有するものは、機雷敷設艦、潜水艦、対潜哨戒機等であるが、これらの具体的な運用構想については、事柄の性質上答弁することを差し控えたい。