第102回国会(常会)
答弁書第一三号
内閣参質一〇二第一三号 昭和六十年一月二十二日 内閣総理大臣 中曽根 康弘
参議院議員吉川春子君提出義務教育未修了者に対する対策と夜間中学校の充実・拡大に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員吉川春子君提出義務教育未修了者に対する対策と夜間中学校の充実・拡大に関する質問に対する答弁書 一について (1) 学校教育法により九年間の義務教育を受けるべき者のうち、義務教育を修了していない者の数を把握することは極めて困難であるが、学校基本調査、国勢調査報告等を基に推計してみると、約七十万人程度と考えられる。ただし、これには病弱等の事由により就学義務の猶予・免除を受けた者が相当数含まれている。
二について 義務教育未修了のまま学齢を超過した者については、市町村は、その設置する小・中学校に受け入れなければならないものではないが、これらの者についても、学習意欲のある限りは、これを尊重して学習の機会について配慮がされるべきであると考えており、現在、学校の収容能力や施設、設備等の状況が許す範囲内において、小・中学校に受け入れているところである。
三について (1) 中学校夜間学級(いわゆる夜間中学)は、発足当初は、生活困窮などの理由から、昼間に就労又は家事手伝い等を余儀なくされた学齢生徒等を対象として、夜間において義務教育の機会を提供するため、中学校に設けられた特別の学級であり、その果たしてきた役割は評価されなければならないと考えている。現在、中学校夜間学級には義務教育未修了のまま学齢を超過した者が多く在籍しているが、現実に義務教育を修了しておらず、しかも勉学の意思を有する者がいる以上、これらの者に対し何らかの学習の機会を提供することは必要なことと考えている。この点については、今後とも生涯教育の観点から配慮する必要があるが、当面、中学校夜間学級がこれらの者に対する教育の場として有する意義を無視することはできない。
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