質問主意書

第102回国会(常会)

質問主意書


質問第三六号

ポムカス(展開部隊用装備品海外事前備蓄)に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和六十年四月二十二日

秦 豊   


       参議院議長 木村 睦男 殿


   ポムカス(展開部隊用装備品海外事前備蓄)に関する質問主意書

 日米共同作戦計画は、昨年末、既に日米双方の制服トップによつて署名され、政府の了承を得ているが、それに関連して、ポムカス(展開部隊用装備品海外事前備蓄)についての政府側の意向を、改めてただしておきたい。

一 昨年二月公表された米国防報告の中に、「すでに米国は数カ国に対し、軍事資材の事前配置、危機の際の地元施設の利用、平時における訓練・演習を行う許可を得ようと努力している。」と述べているし、また、欧州やディエゴ・ガルシアでは、大規模なポムカスが既に実施されている。
 わが国への有事来援は、日米共同作戦の枢要な部分をなすものと考えるが、その来援の効率を高めるためのポムカスについて、政府としては基本的にどのように考えているか。

二 去る四月九日と十六日の参議院外務委員会における私の質疑に対し、外務省の栗山北米局長は、「仮定の話ではあるが、国際情勢いかんによつては、米陸軍の来援というものを想定した装備の事前集積を全く排除するということはない。」旨答弁している。加えて、同席した防衛庁宝珠山説明員(防衛局防衛課長)も同じく肯定的な答弁を行つている。
 また、四月十九日に開かれた参議院外交・総合安全保障に関する調査特別委員会安全保障問題小委員会に、参考人として出席した村井前統合幕僚会議議長は、ポムカスについての私の質疑に対して、「来援基盤強化のため望ましい。」と述べている。
 政府としては、この問題についてどのように考えるか。

三 米国側からポムカスについての正式な要請があつた場合は、日米間のどのような協議の場で検討されるのが適当か。

四 例えば、既に米軍に提供されている施設、相模総合補給廠や浦郷倉庫地区など、全国に散在している米軍施設内をポムカスの候補地として要請してきた場合は、地位協定等の解釈からして、どのような法的対応が可能なのか。

五 米軍側が北海道内のわが国陸上自衛隊の演習場等を、ポムカスの候補地として、特に要請してきた場合はどうか。

  右質問する。