質問主意書

第102回国会(常会)

質問主意書


質問第三二号

政府の日本市場開放策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和六十年四月十五日

木本 平八郎   


       参議院議長 木村 睦男 殿


   政府の日本市場開放策に関する質問主意書

 本年四月九日、政府が発表した日本市場の開放策(対外経済対策)について、以下質問する。

一 政府は、今回の施策に当たつて、深刻化している対米経済摩擦や貿易収支のインバランスを、取りあえずの対象にしているのか。

二 今回の施策は、米国側より要求のあつた品目に限られているのか。

三 今回の施策は、対外関係や外交的観点に偏り、日本国民の消費面、生活面の配慮に欠けていると思うがどうか。

四 私が、先般来繰り返し、質問主意書や委員会質疑で取り上げてきた石油製品の完全自由化については、今回の施策で全然触れられていないが、その理由は何か。

五 (1) ガソリンをはじめ石油製品は、法的には『原則輸入自由』としながら、実質は通産省の行政指導により輸入を抑止しているが、これは、中曽根首相のいうアンフェア、不公正の最たるものではないか。
  (2) 石油製品については、食糧とともにエネルギー面からの安全保障上、輸入管理が必要であり、自由化や市場開放が出来ないなら、法的にもはつきり輸入禁止なり輸入許可制にすべきではないか。そういう法的手段によらずにいるのは、何か特別の理由があるのか。

六 中曽根首相は、国会の答弁や国民への呼び掛けで、外国製品の輸入に対し「輸入手続は簡素、透明、内外無差別、市場開放の観点に立ち、消費者の選択と責任にゆだねる。」といい、「市場開放で影響を受ける国内産業の振興に努める。」と約束している。このことは、ガソリンなど石油製品も消費者の選択と責任により自由に外国製品を選べることと理解していいと思うが、政府の見解はどうか。
 また、石油製品の完全自由化に伴う石油産業の混乱が予想されるなら、それに対しどういう施策を講ずる予定か。

七 市場開放は、品目数や形式ではなく、日本側のモノの考え方や誠意であろう。外国人は、『日本人はずるい』と評するが、石油製品の輸入に対する政府の対応は、まさにこのずるいという批判を代表するものであろう。こういう精神面の対応を政府はどう考えるか。

  右質問する。