第102回国会(常会)
質問第二〇号
自衛隊の弾薬備蓄等に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。 昭和六十年一月二十二日 小笠原 貞子
自衛隊の弾薬備蓄等に関する質問主意書 六十年度自衛隊の弾薬購入費は、三自衛隊合わせて前年度比二十八パーセントも増加している。自衛隊の弾薬の備蓄の実態と、北海道における弾薬庫建設の状況等に関して、以下質問する。 一 五十七、五十八、五十九、六十年度の弾薬購入費の内訳として、訓練射耗分と有事備蓄分の割合はどのようになつているか。有事備蓄は増大しているか。 二 六十年度、陸・海・空自衛隊のそれぞれの弾薬購入費(契約金額)、数量、対前年度伸び率はどれだけか。 三 米高官はさかんに自衛隊の継戦能力が弱いと述べ、弾薬などの備蓄増を要求している。アーミテージ米国防次官補は、「自衛隊の弾薬備蓄は、三日間から一週間しかもたない」などと述べている。
四 報道によると、「五六中業」の弾薬備蓄目標は、「約一カ月間の継戦が可能な弾薬八万四千九百トン」(八四年八月二十六日付「読売新聞」)ということであるが事実か。
五 北海道では、最近弾薬庫の建設が急ピッチで進んでいる。北海道において、一九七五年度(昭和五十年度)から弾薬庫、弾薬棟がどの程度建設されているか。年度別に弾薬庫名と弾薬棟数、および年度別の予算額を明らかにしていただきたい。 六 防衛庁は、北海道上川管内上富良野町の陸上自衛隊多田弾薬支処の南側に隣接する町有林などを買収し、弾薬庫の拡張計画をすすめている。ここの買収予定地の面積は、百二十八ヘクタールといわれているが事実か。
七 報道によると、多田弾薬支処は「備蓄量三百トンの小型弾薬庫三十六棟と建設中の大型弾薬庫が三棟で備蓄量は一万トン」ということであるが事実か。 八 多田弾薬支処南側に建設予定の弾薬庫は、「大型千トン弾薬庫二十棟を設置して、備蓄量を一気に二万トン増やす」(八四年十二月二十三日付「北海道新聞」)ということであるが事実か。 九 五十八年版「防衛白書」は、通峡阻止の作戦に伴つて、「敵が通峡の自由を確保するため、海峡周辺地域に対する侵攻を企画するおそれもあり」と述べているが、北海道における弾薬備蓄は、この「白書」で述べるような、「侵攻」に対処するための継戦能力確保の一環であるのか。 十 最近日米間で、インターオペラビリティー(相互運用性)の強化についての発言がめだつている。
右質問する。 |