質問主意書

第101回国会(特別会)

答弁書


答弁書第四〇号

内閣参質一〇一第四〇号

  昭和五十九年八月二十一日

内閣総理大臣 中曽根 康弘   


       参議院議長 木村 睦男 殿

参議院議員鈴木一弘君提出蚕糸価格の安定等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員鈴木一弘君提出蚕糸価格の安定等に関する質問に対する答弁書

一について

 最近における糸価の水準は、蚕糸砂糖類価格安定事業団における大量の在庫の累積等にみられる需給の大幅な不均衡を反映しているものと考えている。
 政府としては、需給の均衡の回復を図ることが緊要であるとの見地から、絹需要の促進対策の実施、繭の減産の推進、製糸業の設備廃棄の推進、政府間協議を通ずる国内需給動向に即した輸入の実現等に努めているところである。

二について

 昭和五十九年の春蚕に係る繭の減産については、おおむね目標を達成する見込みであり、こうした事情を反映して、糸価は、落ち着いた動きを示している。
 夏秋蚕以降の繭の減産については、年間の目標を達成するよう指導を行つているところである。

三について

 蚕糸業、繭糸価格安定制度等の在り方については、現在、学識経験者による「繭糸価格安定制度に関する研究会」を開催する等により検討を進めているところである。

四について

 政府としては、国内の需給事情を踏まえ、主要輸出国である中国及び韓国との良好な経済関係の発展の必要性をも勘案しつつ、昭和五十一年以来毎年中国及び韓国との間で政府間協議を行い、生糸及び絹製品について、国内の需給動向に即した輸入の実現を図つてきたところである。
 両国とも既に輸出数量を相当減少させており、これ以上の協力を得ることは困難となりつつあるが、政府としては、今後とも、最大限の努力を払つてまいりたい。

五について

 昭和五十九生糸年度における輸入生糸の実需者売渡し及び需要増進特別売渡しにより、絹業の活性化と生糸需要の増進を期しているところである。

六について

 生糸・絹製品の需要拡大については、従来から、絹需要促進のための各種普及啓もう活動の実施と併せて、新規用途開発のための、事業団による新規用途等売渡しの実施、新製品開発事業等に対する助成等を行つてきたところである。
 今後とも、その推進に努めてまいりたい。