質問主意書

第101回国会(特別会)

答弁書


答弁書第九号

内閣参質一〇一第九号

  昭和五十九年三月二十一日

内閣総理大臣 中曽根 康弘   


       参議院議長 木村 睦男 殿

参議院議員飯田忠雄君提出公職選挙における被選挙権者等の欠格事由としての「禁錮以上の刑に処せられた者」の範囲等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員飯田忠雄君提出公職選挙における被選挙権者等の欠格事由としての「禁錮以上の刑に処せられた者」の範囲等に関する質問に対する答弁書

一について

 恩赦法第六条に規定する「刑の言渡を受けた者」とは、刑の言渡しを受け、その裁判が確定した者をいう。

二について

(1) 減刑令(昭和二十七年政令第百十八号)第一条第一項に規定する「基準日前に禁こ以上の刑に処せられた者」とは、基準日前に禁錮以上の刑の言渡しを受け、その裁判が確定した者をいい、基準日前にまだその裁判が確定していない者は含まない。
(2) 減刑令第一条第二項に規定する「基準日前に禁こ以上の刑の言渡を受け、この政令の施行の際まだその裁判が確定していない者」とは、基準日前に禁錮以上の刑の言渡しを受けたが、同令施行の際、上訴中などの理由により、まだその裁判が確定していない者をいう。

三について

(1) 公職選挙法第十一条第一項に規定する「禁錮以上の刑に処せられ」とは、禁錮以上の刑の言渡しを受け、その裁判が確定したことをいうと解される。
(2) 公職選挙法第十一条第一項第二号に規定する「禁錮以上の刑に処せられその執行を終るまでの者」とは、その文言からして、禁錮以上の刑の言渡しを受け、その裁判が確定した時から刑の執行が終わるまでの期間内にある者をいうものと解される。

四について

 大赦令(昭和三十一年政令第三百五十五号)第一条の「罪を犯した」とは、犯罪行為が終わつたことをいう。

五について

 お尋ねのような解釈の統一を図つたことはないが、国家公務員法第三十八条第二号に規定する「禁錮以上の刑に処せられ」とは、禁錮以上の刑の言渡しを受け、その裁判が確定したことをいうと解しており、このことは、同法の適用を受ける公務員以外の公務員の任用資格に関する他の法律の規定中同様の文言を用いているものについても、同様である。