質問主意書

第101回国会(特別会)

答弁書


答弁書第六号

内閣参質一〇一第六号

  昭和五十九年二月二十八日

内閣総理大臣 中曽根 康弘   


       参議院議長 木村 睦男 殿

参議院議員二宮文造君提出旧国際電気通信株式会社の解散前に退職した社員に対する恩給法等の期間の特例通算に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員二宮文造君提出旧国際電気通信株式会社の解散前に退職した社員に対する恩給法等の期間の特例通算に関する再質問に対する答弁書

一及び二について

(1) 恩給制度は、公務員を対象とした年金制度であるが、昭和二十二年に行つた「国際電気通信株式会社等の社員で公務員となつた者の在職年の計算に関する恩給法の特例等に関する法律」による旧国際電気通信株式会社の社員期間の通算措置は、同年五月二十五日に同社の業務が政府に引き継がれる際、退職についての給与を受ける権利を放棄して引き続いて公務員となつた者に対しとられたものであり、また、昭和五十五年に同法の改正により行つた通算措置も、昭和二十年八月十五日以後同社の社員を退職し、前記昭和二十二年五月二十五日までの間において公務員となつた者に対しとられたものであつて、いずれも同社の業務が政府に引き継がれたことに伴う特例措置であるから、同日後に公務員となつた者についてまでこのような特例措置を及ぼすことは、これらの通算措置の趣旨を逸脱することとなり、適当ではないと考える。
(2) 国家公務員の退職手当は、国家公務員としての引き続いた在職期間をその算定基礎として支給されるものである。
 御指摘の旧国際電気通信株式会社の社員は国家公務員ではないが、同社の社員であつた期間を国家公務員としての在職期間とみなして通算することとしたのは、同社の業務が政府に引き継がれたこと及びその引継ぎに際し退職についての給与を受ける権利を放棄して引き続いて国家公務員となつたことという特殊事情に基づく特例的な措置である。
 したがつて、御指摘のような事例についてまで期間通算の特例措置を講ずることは適当ではないと考える。
 また、いずれにしても、退職手当は、国家公務員が退職した場合に一時金として支給されるものであり、退職して既に支給済みの退職手当について遡及して新たな措置を講ずることは極めて困難である。
 御指摘の調査については、入手した資料に基づき、関係省庁に調査方依頼するとともに、関係する個人に対しても個別に照会するなど可能な限りの調査を昭和五十六年に実施したが、その結果によれば、ほとんどの者は国家公務員を退職しており、現在では、国家公務員として在職している者は三名であることが判明している。これら在職者の人事記録を調査したところ、いずれも、その勤続期間は三十五年を超えている。

三について

 旧国際電気通信株式会社は、外国特殊法人として政令で指定している法人と異なり、日本政府又は外国政府と特殊の関係があつた法人で外国において日本専売公社、日本国有鉄道又は日本電信電話公社の事業と同種の事業を行つていたものとはいえないので、これを外国特殊法人として指定することはできない。