質問主意書

第101回国会(特別会)

質問主意書


質問第四三号

長野県が行つた県営圃場整備事業(中信平右岸土地改良事業)に対する補助金の交付に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十九年八月六日

中山 千夏   


       参議院議長 木村 睦男 殿


   長野県が行つた県営圃場整備事業(中信平右岸土地改良事業)に対する補助金の交付に関する質問主意書

 県営松本空港の敷地南側境より南側一帯三六〇ヘクタールの畑地は、農業振興地域の指定をうけ、昭和四十五年度から昭和五十五年度(昭和五十六年三月)にかけて、長野県が中信平右岸土地改良事業として圃場整備を行つた地域である。
 前記圃場整備事業には、その総事業費に対し国から四十五パーセントの補助金が交付されている。
 国が圃場整備事業に補助金を交付することは、農業振興の観点から歓迎されるところであるが、圃場整備事業中に、その事業主体である長野県がその地域を他の目的に転用することを同時に計画していたとすれば、国民の血税を無駄にしたことになり、まことにゆゆしき事態といわねばならない。
 また、他に転用されることを知りながら補助金の交付をしたとすれば、それを交付した政府の責任も重大である。
 補助金等の交付の不正な申請および補助金等の不正な使用の防止をはかる目的で制定された「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」第二十九条第一項、第二項は、「偽りその他不正の手段により、補助金等の交付を受けた者」およびその「情を知つて交付又は融通をした者」に対し、五年以下の懲役若しくは一〇〇万円以下の罰金を科している。よつて、以下の点について質問する。

一 長野県の中信平右岸土地改良事業に対して交付された補助金の金額を昭和四十五年度から昭和五十五年度まで年度別に明らかにされたい。

二 農水省は、前記圃場整備事業のため、長野県に補助金を交付していた昭和五十二年当時、長野県が県営松本空港の拡張をすでに意図しており、地元松本市の昭和五十二年十二月の定例市議会(十二月十四日)において、同市の和合正治市長が松本空港を拡張するため、第四次空港整備計画への編入を目指し、「県とも十分話し合いを進めている。」旨の発言をしている事実を知つているか。

三 また、前記圃場整備事業のため長野県に補助金の交付が続けられていた昭和五十四年当時、すでに長野県がその圃場整備用地をつぶすことになる県営松本空港の拡張を目指してその可能性の調査を開始しており、同年六月の長野県議会において、当時の吉村午良副知事(現知事)らが県営松本空港が拡張可能であるとの調査結果が出れば、県営松本空港の拡張を長野県の大規模開発プロジェクトに加えたい旨の答弁をしていた事実を農水省は知つていたか。

四 さらにまた、昭和五十四年十二月、前記松本空港拡張可能調査の調査結果が、これを調査した株式会社日本空港コンサルタンツより長野県に提出され、その報告書の中にはすでに前記圃場整備事業実施中の農地が空港の敷地にされることになつている松本空港の拡張図面が作成されている事実を知つていたか。

五 昭和五十四年に行われた前記松本空港拡張可能調査の調査結果に基づき、長野県は県営松本空港の拡張計画を推進し、昭和六十年三月を目途に、前記圃場整備地域に県営松本空港の敷地を拡張する「空港変更許可申請」を運輸省に提出しようとしている事実を知つているか。

六 二ないし五にあげた事実を知らないとすれば、政府において二ないし五にあげた各質問事項記載のとおりであるか否かを調査し、回答されたい。

七 右調査の結果、二ないし五にあげた事実が確認された場合、長野県は農業振興のため是非とも農地の圃場整備が必要であると称して国から補助金の交付をうけながら、一方で、その事業の実施中に同じ長野県がその農地をつぶすことになる計画を同時に進めていたことになり、「偽りその他不正の手段」により補助金の交付をうけたことになると思うが、血税に苦しむ国民を愚弄したこのようなゆゆしき事態に対し、補助金を交付した政府はこれにどのように対処するつもりか。

八 また、前記圃場整備事業に国民の血税である補助金を交付した政府として、長野県に対し、同事業が実施された地域を農地として保全するよう厳重に指導、勧告すべきであると考えるが、どうか。

  右質問する。