質問主意書

第101回国会(特別会)

質問主意書


質問第二九号

ロング前米太平洋軍司令官の米議会での証言とわが国の防衛政策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十九年五月八日

秦 豊   


       参議院議長 木村 睦男 殿


   ロング前米太平洋軍司令官の米議会での証言とわが国の防衛政策に関する質問主意書

 ロング前米太平洋軍司令官は、去る五月三日、米下院外交委員会アジア・太平洋小委員会の対日公聴会において、シーレーン防衛問題を中心に証言を行つたが、これに関連して、以下質問する。

一 ロング氏の証言は、「効果的なシーレーン防衛のためには宗谷・津軽・対馬三海峡の封鎖は、重要である。」との認識を打ち出しているが、これについて、わが国の政府はどのように考えるか、見解を伺いたい。

二 同証言においてロング氏は、「有事の際の三海峡封鎖は日本の役割(任務)である。」とも述べているが、これに対して、わが国の政府はどのように考えるか、見解を伺いたい。

三 ロング氏は、更に、「米軍が自衛隊の支援や施設の利用なくして、単独で封鎖することは、極めて困難だ。日米両国が共同で封鎖することになる。」とも証言しているが、これについて、わが国の政府はどう考えるか。

四 ロング証言の別の箇所では、「日本は機雷敷設能力を持つている。海峡封鎖に必要な費用は機雷敷設だけで二十億ドルないし三十億ドル(日本円に換算すると、四千五百億円から六千八百億円に相当)になろう」と、はじめて具体的な積算をも明らかにしているが、この“能力”と“費用”については、どのように受けとめているか。

五 ロング氏は、「日本は財政的にも軍事的にも、海峡封鎖を行う能力を持つている。問題は、それをやる政治的意思にかかつている。」とも証言しているが、まず財政的にはどうか、見解を伺いたい。
 更に、「軍事的能力」と「政治的意思」については、どのように考えているか。

六 極東有事の際に、日本の基地施設が利用出来るかどうかについての質問に対して、ロング氏は、「私としては、日本政府の同意が得られると確信している。」と答弁しているが、これに対して、わが国の政府はどのように考えているか。

  右質問する。