第101回国会(特別会)
質問第二七号
わが国の自衛隊の現状と欠陥に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。 昭和五十九年五月七日 秦 豊
わが国の自衛隊の現状と欠陥に関する質問主意書 政府が、自衛隊の現状をどのように把握しているのか。改めてその認識について質問したい。 一 政府は、自衛隊の全般的な状態について、既に戦力としての自己完結性とバランスを備えていると考えるか。
二 陸・海・空三自衛隊を統合的に指揮・統制するシステムは、既に整つていると考えるのか。 三 中央指揮所の現状をもつてしても、陸・海・空三自衛隊の統合的な指揮・統制は、十全ではあるまい。三自衛隊のいわゆる「C3I」システムが、一応の水準に達するのは、ほぼいつ頃と考えているのか。 四 自衛隊の備えているハード・ウェアの面では、何が欠け落ちていると考えるか。陸・海・空それぞれについて示されたい。 五 自衛隊が備えるべきソフト・ウェアの部門では、何が欠けていると考えるのか。陸・海・空それぞれについて示されたい。 六 昭和五十七年一月、鈴木前総理は、伊藤防衛庁長官(当時)に対し、わが国の防衛政策について、海洋国家である日本にふさわしい防衛体制を考えること、陸・海・空三自衛隊のバランスのあり方についても再検討することなどについて、具体的な指示を与えたと伝えられるが、“ハリねずみ防衛論”とも言われたこの基本的なとらえ方は、政府として継承されているのか。 七 昭和五十九年度防衛関係予算における陸・海・空三自衛隊の予算配分比率は、どうなつているか。
八 政府は、右のような配分比率を適正なものと考えているのか。そのように考えていないとすれば、今後は、どう是正する考えか。 九 政府としては、「五九中業」の策定を含め今後は、陸・海・空の装備計画において、特にどのような重点指向をする考えなのか。 十 弾薬類(魚雷・ミサイル等を含む)の望ましい備蓄水準としては、おおむね三カ月程度を一応の目途としているのか。 十一 専守防衛の大原則に照らし、自衛隊の編成・配置、また装備や兵器体系を、この際、徹底的に見直してみるべきではないのか。それとも、三自衛隊それぞれの編成・配置、また装備や兵器体系は、専守防衛に最もふさわしい構成を既に採つていると考えているのか。 十二 専守防衛を全うするためには、三自衛隊の装備、兵器体系および編成・配置のどの部門を改むべきであると考えるか。 右質問する。 |