質問主意書

第100回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一一号

韓国国防相の日米共同訓練参加発言等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十八年十月三十一日

秦 豊   


       参議院議長 木村 睦男 殿


   韓国国防相の日米共同訓練参加発言等に関する質問主意書

 韓国の尹誠敏国防相は、去る十月二十七日の韓国国会において、「日米韓軍事協力を段階的に推進し、今後は日米合同軍事訓練への韓国軍の参加を検討する。」と初めて公式に述べているが、その発言等に関して政府の所見を伺いたい。

一 尹国防相は、現行の日米安保条約と米韓相互防衛条約の二元的構造を基礎にして、日米韓三国間の軍事協力を段階的に推進すると発言しているが、政府は、今後そのような可能性があり得ると考えるか。

二 日韓両国間には、将来にわたつていかなるレベル、いかなる分野における軍事的協力もあり得ないと政府は考えているのか。

三 共同訓練は、広範な意味での軍事協力に該当するのか。
 また今後、日韓両国間の特定の部門を限定した共同訓練はあり得るのか。

四 韓国が、日米共同訓練への参加を要請し、米国がそれに賛意を表した場合に、日本政府としては、どのような態度をとるのか。

五 昭和五十五年三月八日の衆議院予算委員会において、当時の細田防衛庁長官は、多国間にまたがる合同訓練に関する野党議員の質疑に対し、「紛争当事国や分裂国家とは十分慎重でなければいけないし、消極的に考えるべきである。……韓国との一般的な共同訓練につきましても、具体的な問題にもなつておりませんし、ただいま私どもはする考えはございません。」と答弁している。
 右の細田防衛庁長官の答弁は現在も生きているのか。

六 政府は、韓国がどのように要請し、米国政府がどれ程働きかけようとも、今後とも、前記細田防衛庁長官答弁の基本線を貫く考えか。

七 昭和五十四年七月、当時の山下防衛庁長官が、現職としては初めてソウルを訪問し、韓国側と一連の協議を行つて、日韓国防当局者の相互訪問や定期協議等について、合意したとも伝えられているが、政府は、今後韓国側から要請があつた場合、防衛庁長官、国防相レベルの定期協議に応ずる考えはあるのか。また、不定期協議はどうか。

八 親善訪問を名目とした韓国海軍練習艦隊の日本寄港は認めるのか。また、わが国の練習艦隊の訪韓は、あり得るのか。

九 既に昭和五十六年九月韓国陸軍士官学校生徒五名が、防衛大学校での短期研修を行つているが、今後韓国側が防衛大学校への継続的な留学を希望した場合は、どうするのか。

十 日本人学生の韓国軍関係学校への留学はあり得るのか。

  右質問する。