質問主意書

第99回国会(臨時会)

質問主意書


質問第四号

北東アジアの戦域核バランスに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十八年七月二十二日

秦 豊   


       参議院議長 木村 睦男 殿


   北東アジアの戦域核バランスに関する質問主意書

 ソ連が極東に配備しているSS20はすでに百八基に達し、新たに十か所にのぼる基地建設も米国側によつて確認されている。
 一方、海・空を含めた米国側の対応にも格段の変化がうかがわれる。そこで、北東アジアのINF(中距離核戦力)問題について数点を質問する。

一 北東アジアにおけるソ連のINF戦力の構成については、どのように把握しているか。

二 北東アジアにおける米国のINF戦力は、いかなるものによつて構成されていると思うか。

三 北東アジアにおける米・ソ両国のINF戦力は、相互にバランスしていると考えるか。もしバランスがとれていないとすれば、一定水準の核戦力バランスがとれることが日本の立場からして望ましいと考えるか。

四 去る七月十四日、共同通信社主催の講演会において、中曽根首相は、改装戦艦ニュージャージーの日本寄港の意味に触れて、「極東における相手の軍事力とのバランスを回復するため」とし、対ソ抑止力の向上に狙いがあることを強調された由だが、首相の言われた対ソ抑止力には、当然INF等の核戦力も含まれているのではないのか。

五 米第七艦隊の空母二隻体制や水上艦艇等への巡航ミサイル配備、戦艦ニュージャージー等の太平洋配備と日本寄港、F16の三沢基地配備、B52G型へのSRAM(短距離攻撃ミサイル)又はALCM(空中発射巡航ミサイル)の搭載等は、全体としてとらえた場合、北東アジアにおけるINF戦力の拡充強化と見るのがむしろ常識である。これは、政府として歓迎すべき方向ではないのか。

  右質問する。