質問主意書

第96回国会(常会)

答弁書


答弁書第八号

内閣参質九六第八号

  昭和五十七年四月六日

内閣総理大臣 鈴木 善幸   


       参議院議長 徳永 正利 殿

参議院議員鈴木一弘君提出鉱山の保安に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員鈴木一弘君提出鉱山の保安に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の栃木県葛生町及び田沼町地区においては、約三十の石灰石鉱山が操業しているが、各鉱山が隣接していること、民家が比較的鉱山の近くにあること等の事情にかんがみ、従来から発破による飛石事故を未然に防止することを指導、監督の重点事項に掲げ、隣接鉱山間の調整及び地元住民との緊密な連絡について鉱業権者を指導するとともに、発破の方向、装薬量の適正化、飛石防止用マットの使用等の技術面についても通商産業省東京鉱山保安監督部において巡回検査を行い指導、監督を行つているところである。

二について

 発破による飛石事故が発生した場合には、鉱業権者と損害を受けた当事者との合意により損害賠償が行われていると承知している。

三について

 石灰石鉱山においては、露天採掘が行われる例が多く、他の地区においても遺憾ながら発破による飛石事故は皆無とはいえないが、このような事故を根絶するため厳しい指導、監督を行つているところである。

四について

 火薬類取扱所は、火薬類を貯蔵するための施設である火薬庫と異なり、火薬類を消費する過程で少量の火薬類の配分等を行うための施設であり、構造等に関しては火薬庫と異なる規制をしているところである。
 鉱山における火薬類取扱所については、その設置を認可事項とすること等厳しく規制しているところであり、今後とも適切な指導、監督を行い地元住民に不安感を与えることのないよう万全を期してまいりたい。

五について

 発破による飛石事故、たい積物の流出事故の原因は多種多様であるが、今後とも各鉱山の状況に適した事故防止方法、担当係員の技能向上等について鉱業権者を指導、監督し事故の根絶を図つてまいりたい。