質問主意書

第96回国会(常会)

質問主意書


質問第一八号

TBTO(漁網防汚剤)と奇形ハマチの毒性問題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十七年六月四日

大川 清幸   


       参議院議長 徳永 正利 殿


   TBTO(漁網防汚剤)と奇形ハマチの毒性問題に関する質問主意書

 私は、本年三月十五日の予算委員会で魚病食品の安全性について質問を行つた。
 しかし、その後、奇形ハマチが消費市場で販売されるなど、国民生活の安全を守る上からも極めて重要な問題である。
 その原因は、養殖業者が使用しているTBTO(漁網防汚剤)の毒性にあるとの不安が高まつているので、次の項目について質問する。

一 水産庁は、昭和四十七年三月に全漁連等に対して、TBTOの使用自粛を通達している。さらに、メーカーもその毒性について取扱い注意事項の中で認めているが、政府の所見を伺いたい。

二 TBTOの生産推定量は、年間四千二百トン以上と言われているが、その実態と規制について、どのような措置を講じてきたか。

三 千葉大医学部岩崎勇助教授らの検査で、奇形ハマチをマウスに与えたところ、マウスの骨が曲つたという結果が発表されている。政府は、養殖魚の重金属残留検査など、因果関係の究明に本格的な調査を行うべきと思うが、どうか。

四 疫学上、TBTOが強い神経毒であると言われているが、国民の健康と食生活の安全並びに健全な養殖業の発展をはかる上からも、人体にどのような影響を及ぼすかを明らかにし、適切な対策を講ずる必要があると思うが、政府の見解を伺いたい。

  右質問する。