質問主意書

第96回国会(常会)

質問主意書


質問第一〇号

いわゆるシーレーン防衛政策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十七年三月二十日

秦 豊   


       参議院議長 徳永 正利 殿


   いわゆるシーレーン防衛政策に関する質問主意書

 国会における防衛論議の中でもシーレーンに関する論議は、ことさら深まつてはいない。また政府の姿勢も積極的に国民に訴えてゆくのではなく、ともすれば場当たり的な答弁でしのぐ態の消極性が目立ち過ぎる。以下の問題点について内閣の見解を伺いたい。

一 有事の海運・輸送対策の一つとして船舶と船員を国のコントロール下におく法令を整備している国は、少なくはないが、わが国においても船舶の運航統制等を含んだ同種の法令を整備する必要があると考えるか。

二 NATO諸国には海上交通保護のためのシステムとしてNCS(ネイバル・コントロール・オブ・シッピング)があり、船舶運航軍事統制機構として機能している。以下の仮定に基づく設問について伺いたい。

(1) 米国を中心としたリムパック参加国間にNCS的システムが創設された場合、それに日本が参加することは法的に許されるか。
(2) 許されるとした場合の判断の根拠は何か。
(3) 許されないとした場合の判断の根拠は何か。
(4) 同盟国間でのシーレーン防衛を考えた場合には、NCS的なシステムは必須のものと思うか。

三 太平洋戦争では、政府により海運総監部が設けられ船舶の一元的運営がはかられたが、時期を失し十分な効果をあげ得なかつた。政府は今日の時代的状況からして、かつてのような「船舶運航軍事統制機構」的なものの必要性と、設置の可能性についてどう考えているか。

  右質問する。