第95回国会(臨時会)
答弁書第四号
内閣参質九五第四号 昭和五十六年十月二十三日 内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 中曾根 康弘
参議院議員秦豊君提出極東ソ連軍兵力の見積もりをめぐる日米間の重大なくい違いに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員秦豊君提出極東ソ連軍兵力の見積もりをめぐる日米間の重大なくい違いに関する質問に対する答弁書 一について 「ソヴィエト・ミリタリーパワー」(以下「ソ連の軍事力」という。)は、米国が独自の見地から発表したものであり、昭和五十六年版「日本の防衛」(以下「防衛白書」という。)は我が国が独自の見地から発表したものでもあり、若干の差異はあり得ることである。 二について 「ソ連の軍事力」では、カテゴリー三の師団も含まれると推定される。 三について 防衛白書は、地上兵力について、「五十一個師団約四十六万人が主として中ソ国境付近に配備され、そのうち極東方面には、三十九個師団約三十六万人が配備されている。」と記述しているが、これは、各種の情報に基づき客観的に判断したものである。 四について 各軍管区ごとに師団数を把握している。 五及び六について 防衛白書は、極東方面の地上兵力を、おおむねバイカル湖付近以東に配備されている地上兵力としているが、これは、極東軍管区、ザバイカル軍管区及びモンゴル所在の部隊であり、我が国の安全を考える上で妥当なものである。
七及び八について 防衛白書は、ソ連太平洋艦隊の艦艇数を約八百隻と記述しているが、これは、原子力潜水艦を含む潜水艦、空母、巡洋艦、駆逐艦等の戦闘艦艇及び補助艦艇の総数であり、我が国の安全を考える上で妥当なものである。 九について 「ソ連の軍事力」は、極東ソ連の航空兵力について記述していない。 十及び十一について 防衛白書は、航空兵力について、「約二千二百十機が極東に展開しており、その内訳は、爆撃機約四百五十機、戦闘機約千六百機及び哨戒機約百六十機」としているが、我が国の安全を考える上で妥当なものである。
|