質問主意書

第94回国会(常会)

答弁書


答弁書第一六号

内閣参質九四第一六号

  昭和五十六年五月二十九日

内閣総理大臣 鈴木 善幸   


       参議院議長 徳永 正利 殿

参議院議員秦豊君提出アルミ産業の位置づけに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員秦豊君提出アルミ産業の位置づけに関する質問に対する答弁書

一、二、五から八まで及び十について

1 アルミニウム製錬業について、政府としては次のとおりの対応を行つてきており、これを踏まえ今後とも適切な対応を行つてまいりたい。

(一) 昭和五十二年及び昭和五十三年の産業構造審議会の答申を踏まえ、特定不況産業安定臨時措置法に基づく安定基本計画による設備処理を中心とした構造改善を進めてきている。
(二) 昭和五十四年以降、いわゆる第二次石油危機によるエネルギー・コストの大幅な上昇、開発輸入の進展等の環境変化に伴い、アルミニウム製錬業の今後のあり方等について改めて検討を行う必要が生じたため、昭和五十六年四月二十日、通商産業大臣が、産業構造審議会に「今後の我が国アルミニウム製錬業及びその施策のあり方いかん。」という諮問を行つた。
(三) 同諮問を受けて、現在産業構造審議会において次の点を中心とした検討が行われているところである。

(1) アルミニウム製錬業の我が国経済に果たす役割
(2) アルミニウム製錬業の国内への供給規模及び自立についての考え方
(3) アルミニウム製錬業の構造改善の方向

2 現在産業構造審議会において以上のような広範な検討が行われているところであり、政府としては、同審議会の答申を待つて今後の方策等を検討することとしているが、御指摘の具体的な措置のうちには、困難なものも含まれていると考えている。

三及び四について

1 最近、アメリカ合衆国等からアルミニウム地金の輸入が増大している。
2 このような状況等を背景として、昭和五十六年四月に全日本アルミニウム産業労働組合協議会の代表がアメリカ合衆国のアルミニウム産業関係者に会い、我が国のアルミニウム製錬業の現状説明等を行つたと聞いている。
3 政府としては、アルミニウム地金の輸入動向等を注視しているところである。

九について

1 政府は、アルミニウム地金の国内需要の減少及び在庫の増加に対応して、社団法人軽金属備蓄協会がアルミニウム輸入安定化備蓄制度により昭和五十六年の二月及び三月に合わせて約二万二千トンのアルミニウム地金の備蓄を実施することを承認した。
2 昭和五十六年度における本制度によるアルミニウム地金の備蓄の実施については、内外のアルミニウム地金の需給動向等を踏まえ、今後検討を行つてまいりたい。

十一について

 政府としても、アルミニウムの再生利用が資源の有効利用という観点から有意義であると考えており、アルミニウム缶の回収及び再利用について関係団体等の適切な指導を行つてまいりたい。