質問主意書

第94回国会(常会)

答弁書


答弁書第一〇号

内閣参質九四第一〇号

  昭和五十六年三月十日

内閣総理大臣 鈴木 善幸   


       参議院議長 徳永 正利 殿

参議院議員市川正一君提出平城京西市跡の保存に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員市川正一君提出平城京西市跡の保存に関する質問に対する答弁書

一及び四について

 平城京西市跡と推定される地域の一部について、昭和五十五年九月、文化財保護法第五十七条の二第一項の規定によりマンション建設のための発掘の届出が行われたため、奈良県教育委員会が主体となり、国庫補助事業で、同年十一月から十二月にかけて同教育委員会の依頼により奈良国立文化財研究所が試掘調査を行い、西市跡の南限の一部が明らかになつた。しかし、現段階では遺跡の範囲、遺構の分布、性格等が判明しないため、奈良県及び大和郡山市の教育委員会に対し、これらを確認するための発掘調査を計画的に実施するよう指導しており、その準備が進められていると聞いている。史跡指定の問題は、この調査結果の意見等を集約して検討されることとなる。

二について

 史跡等の保存のため特に土地を買い取る必要がある場合には、国がその買取りに要する経費の一部を補助する制度があるので、この制度により対処することを検討したい。

三について

 平城京西市跡と推定される地域における土木工事等については、周知の埋蔵文化財包蔵地における土木工事等のための発掘に関する届出に対し発掘調査を指示し、調査の結果保存すべき重要な遺構が発見されれば、関係者に保存の協力を求めることとしたい。