質問主意書

第94回国会(常会)

答弁書


答弁書第一号

内閣参質九四第一号

  昭和五十六年一月十六日

内閣総理大臣臨時代理             
国務大臣 中曾根 康弘   


       参議院議長 徳永 正利 殿

参議院議員秦豊君提出公共用地の取得に関する特別措置法の解釈に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員秦豊君提出公共用地の取得に関する特別措置法の解釈に関する質問に対する答弁書

一について

(1)から(3)まで及び(5) 昭和四十六年二月三日付けで新東京国際空港公団(以下「公団」という。)が千葉県収用委員会に提出した緊急裁決申立書には、「緊急裁決を申し立てる理由」が記載されていなかつたが、千葉県収用委員会は、審理における公団の説明、土地所有者等の行動等により、「明渡裁決が遅延することによつて事業の施行に支障を及ぼすおそれがある」と認定したものと思われ、こうして行われた緊急裁決は違法なものではない。先の内閣参質八七第一三号の答弁書の「六について(4)(ロ)及び(ハ)」において「同年六月十二日付けで行われた緊急裁決の効力には影響を及ぼさない。」と答弁したのは、この趣旨を表現したものである。
(4) 内閣が質問に対し誠実に答弁すべきことは当然である。

二について

(1) 公共用地の取得に関する特別措置法第二十条第二項によれば、緊急裁決の申立ては、書面でしなければならないこととされているので、口頭で行われた緊急裁決の申立てにより収用委員会が緊急裁決を行うことはできない。
(2) 公共用地の取得に関する特別措置法施行規則別記様式第三による様式に不備がある緊急裁決申立書による緊急裁決の申立てがなされた場合の緊急裁決の適法性については、収用委員会における審理の状況等を個別の事案に即して勘案し、判断すべきものであり、一概に論ずることはできないものと考える。