質問主意書

第94回国会(常会)

質問主意書


質問第一四号

政府の安全保障政策、特に経費分担に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十六年五月一日

秦 豊   


       参議院議長 徳永 正利 殿


   政府の安全保障政策、特に経費分担に関する質問主意書

 レーガン政権の対外戦略は、次第にその輪郭を鮮明にしつつあるが、一つの基本的な方向は「対ソ新戦略と同盟国の参入・分担」であろう。日本に対する要求もしたがつて明確かつ卒直さをもつて反復されようが、アメリカとしては、直接的な軍事的協力の強化がさほど期待できない日本側に対して一種の防衛分担金構想を提示する兆しもうかがえる。よつて次の項目について、内閣の所見を明らかにされたい。

一 政府は、昨年十月、衆議院安全保障特別委員会の審議において、ホルムズ海峡の安全航行確保のため、アメリカを中心とした国際海上監視部隊の構想に対し、「同部隊が創設された場合の費用分担は合憲」との判断を示したがその見解に変化はないのか。

二 ペルシャ湾と南西アジアの安全保障のために、米英仏西独日本の五大国による「主要国グループ協議機構」を早急に新設して同地域における危機管理と情勢判断に当たり、現実に危機発生の際には、軍事担当者をまじえて協議する、との構想がある。英国政府は、サッチャー首相自ら熱心な検討を加えていると伝えられているが、政府としての認識と判断は如何。

三 関連して日米豪などの諸国が資金をプールし、アジア地域の安全保障上の要請に対応するため「共通防衛金構想」が浮上しているが、これに対する政府の見解を伺いたい。

四 現在インド洋海域に展開しているアメリカ第七艦隊の必要経費は、一日当たり五十万ドルとされているが、仮にこの経費分担を何らかの形で要請された場合、どのような対応が考えられるのか。

五 在日米軍の経費分担についても逐年加重の傾向に拍車がかかつているが、最近アメリカ側がその点について具体的なメモないし要請書をわが政府に提出した事実があるのか。
 メモ等が提出されているならば内容を明らかにして頂きたい。

  右質問する。