質問主意書

第94回国会(常会)

質問主意書


質問第八号

健康食品の定義、範囲、分類、安全性等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十六年二月二十五日

鶴岡 洋   


       参議院議長 徳永 正利 殿


   健康食品の定義、範囲、分類、安全性等に関する質問主意書

 健康食品が静かなブームをよんでいる。一方で健康食品をめぐつてさまざまな問題が起こつており、たとえば、高価な品物をより高く売りつける販売方法の問題、さらに下痢や発しんなどの食品による被害を訴えている人もいる。
 また、健康食品の名のもとに販売されている食品数は、数百種にものぼると思われ、医薬品とまぎらわしいため、消費者の選択にも混乱を生じている。
 以上の現状からみて、この際、次の諸点について質問する。

一 健康食品、自然食品、医療用食品、乳幼児用食品及び医薬品の定義、範囲、分類について、この際、明確にされたい。さらに、各食品の不当表示、誇大広告、無許可医薬品等の取り締まりについて、どのような法規の適用がなされているのか。
 また、具体的な対策はどのようにたてられているのか明らかにされたい。

二 健康食品の安全性と効用については、多くの国民が強い関心をもつているが、その効用、安全性については必ずしも明らかではない。現在、行政当局は、その功罪についてどのように把握、認識しているのか、明確にされたい。

三 販売に当たつて、医薬品と健康食品の区別の表示方法については、いまだに明確にされていない。すでに欧米においては、表示の制度化をみているところであり、わが国においても、消費者にわかりやすく明示していくべきであると思うがどうか。

四 健康食品は、他の一般食品と比較して、生産、加工、保存及び安全性、衛生面については、さまざまな研究が行われているが、民間の動きに依存するばかりではなく、今後、行政当局としても健康食品の安全性の研究等を考えて行くべきであると思うがどうか。

五 公的機関の検査体制と苦情処理について制度化の研究を進め、すみやかに対処すべきであると思うがどうか。また、現在の食品衛生監視員、薬事監視員の体制の充実を図るべきであるが、対応策はどうか。

六 先般、厚生省が行つた医薬品類似形態食品の実態調査を国民に明らかにするとともに、調査から明らかになつた点を行政に生かし、今後、定期的に調査を行うことも検討すべきではないか。

  右質問する。