質問主意書

第93回国会(臨時会)

質問主意書


質問第八号

裏絹、羽二重の輸入対策等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十五年十一月十二日

鈴木 一弘   


       参議院議長 徳永 正利 殿


   裏絹、羽二重の輸入対策等に関する質問主意書

 裏絹、羽二重は、絹呉服の裏地として広く使用されており、昭和五十四年度の生産量は、二、七五二万二、〇〇〇平方メートル、中国等からの輸入量は一、二七二万五、〇〇〇平方メートルとなつている。
 一方、需要は、日本裏絹組合連合会の試算によると三、二〇〇万平方メートルと前年度に比べ大幅にダウンし、需給バランスは八二四万七、〇〇〇平方メートルの供給過剰となつている。
 このため、裏絹市況は依然として低迷を続け、生産者は低工賃に苦しみ、裏絹産地の八割は多大な滞貨品を抱えて赤字経営を余儀なくされている。
 然るに外国からの絹織物の輸入は、前年度に比べ若干減少しているものの、前記日絹連の試算によればなお需給バランスを超えた高水準で推移しており、不況と輸入製品の挾撃に遭つて、裏絹、羽二重産地はいま崩壊の危機にひんしている。
 よつて以下の諸点について質問する。

一 通産省は裏絹、羽二重業界の経営実態をどう把握しているか。
 また、同生産地救済のため、これまでどのような対策を講じてきたか。

二 絹製品の需給動向に関し、通産省は昭和五十四年度の見通しをどのようにしてたてたのか、また、本年度についてはどのように予想しているか。

三 通産省では昭和五十四年度の裏絹、羽二重の需要を四、一六〇万平方メートルとしているが、これは業界試算による三、二〇〇万平方メートルを大きく上回る数字である。通産省の需要算定は過大にすぎるのではないか。
 過大でないとするなら、その根拠を明確にせよ。

四 絹織物の輸入状況はどうなつているか。とくに昭和五十五年度の輸入枠設定に当たつて如何なる方針をもつているか。

五 業界の景況が好転するまで、外国産羽二重の輸入について、なんらかの措置をすべきだと考えるがどうか。

  右質問する。