質問主意書

第91回国会(常会)

質問主意書


質問第二六号

平和相互銀行及び太平洋クラブ等の疑惑に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十五年五月十四日

目黒 今朝次郎   


       参議院議長 安井 謙 殿


   平和相互銀行及び太平洋クラブ等の疑惑に関する質問主意書

 次の事項について質問したい。

一 太平洋クラブの会員の内訳について

 太平洋クラブの現在までの縁故募集による会員数は何名か。その場合の入会金及び保証金はそれぞれいくらか。第一次会員募集による入会者数は何名か。このうち、個人は何名で法人は何社か。同時に入会の際に太平洋クレジットサービスよりローンをうけて入会した人がおるが、その人数・ローン総額はいくらか。第二次会員募集についても全く同様のお答えをいただきたい。また、全会員の都道府県別人数はそれぞれ何名か。

二 太平洋クラブのパンフレット等の宣伝にある全ゴルフ場・二十七コースの完成はいつか。

三 太平洋クラブ及び株式会社太平洋クラブの経理を公開せよ。

 太平洋クラブのごとく、七百七十億円弱という巨額の金を不特定多数の大衆より集めていることは、極めて危険で問題ではないか。

四 太平洋クラブの集めた金の流れについて

 太平洋クラブが既にオープンしたゴルフ場等施設の土地買収費用を含む設備投資額はいくらか。また、未完成のゴルフ場等の土地買収費用を含む、いわゆる建設仮勘定はいくらか。

五 株式会社太平洋クラブが所有する平和相互銀行株について

 資本金二十億円の株式会社太平洋クラブが平和相互銀行の株を、同社の発行済株式総数に対して八・九三%の割合をもつて所有しているが、要は小宮山ファミリーの同族支配強化に大衆から集めた金が利用され、会員のためのゴルフ場等は未完成のままである。株式会社太平洋クラブが平和相互銀行株を取得した時期はいつか。取得価格は平均いくらか。取得方法等は何か。

六 大蔵省中小金融課長小田原定氏の、私の質疑に対する国会答弁について

 本年四月九日、物価等対策特別委員会において私の質疑に対して小田原氏は「……私ども検査した内容における限りにおいては健全な担保も徴しておりますし、平和相互銀行がいささかも経営上問題があるというふうには感じておりません。……経営としてはいささかも問題はないことをこの機会に申し上げて……」と答弁している。しかるに我が党の調査では、本年四月十六日、米里銀行局長と宮本審議官が小宮山精一社長を銀行局へ呼んで諸々の事情を口実に小宮山氏の社長辞任を強く迫り、具体的な後任社長まで強く推薦している事実がある。私の質問後十日も経ないうちに経営上問題のないとされる社長の辞任を迫り、後任人事まで決定しようとしている法的な根拠は何か。国会における答弁が正しいのか、正しくないのか。それとも国会での議論を全く無視し、軽視しているのか。国会における答弁が正しくないとするならば、その責任は具体的に誰がどうとるのか。明確に答えよ。

七 銀行を指導監督するという大蔵省の立場とは何なのか。

 本年五月十四日午前十一時半すぎの物価等対策特別委員会理事会後、宮本審議官は平和相互銀行にはいろいろ問題があると言明した。それについて今まで放置していた原因は何であるか。故小宮山英蔵氏が社長の頃は何も問題がなかつたのか。現在問題があるならば、代表取締役及び取締役・監査役等の連帯責任であつて、それらについて大蔵省はどう指導監督しているのか。(商法二五四条ノ二、同二七七条、同二七八条)
 十四日の席上宮本審議官は、四月九日以後、平和相互銀行関係者と全然会つていない、と一度表明してから後、私の事実関係の指摘に対して直ちに答弁を変更して、小宮山精一社長と四月十六日に米里銀行局長と共に会見したことを認めた。この一貫性のない答えの理由は何か。本年三月七日午後九時から九時半、築地の料亭「秀花」において某国会議員が小宮山精一社長に社長辞任を強く迫りながら、「オレのバックは現職大蔵大臣である。大蔵省も了解している」と言明したと聞くが、大蔵大臣はこうした人事問題に関係しているのかどうか。

八 五月十四日付の日本経済新聞の朝刊に、「平和相互銀行が薄外保証、四百億円すでに解消、大蔵省検査で表面化」と出ているが、これは事実か。

  右質問する。