質問第二四号
沖繩県における米軍基地に起因する問題に関する質問主意書
右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。
昭和五十五年五月十四日
喜屋武 眞榮
参議院議長 安井 謙 殿
沖繩県における米軍基地に起因する問題に関する質問主意書
日本全土の米軍基地のうちその約五十三パーセントが沖繩県に集中し、復帰後九年を迎える現在も、依然として軍用地問題をはじめ、基地公害、演習被害、軍人による犯罪など基地と軍隊に起因する数多くの人権問題が後を断たない。
そこで、以下の点について質問する。
一 軍用機から発生する航空機騒音について
この航空機騒音も、基地公害の重大なものである。特に、嘉手納飛行場、普天間飛行場周辺の騒音が激しい。
(1) 右嘉手納飛行場、普天間飛行場周辺の爆音公害の実態を示されたい。もし調査していないというのであれば早急に調査すべきであると思うがどうか。
(2) 航空機騒音が住民の心身に与える影響、特に幼児や児童生徒の心身及び学習能力に与える影響はどうか。調査していないというのであれば政府の責任で調査すべきものと思うがどうか。
(3) 米軍当局は、この航空機騒音に対しどのような対策をとつているか具体的に示されたい。またこの対策は遵守されているか。この対策が遵守されているかどうかの政府のチェック機構はどうなつているかを明確に示されたい。
(4) 政府は、基地周辺生活環境整備法による騒音の区域指定の告示を昭和五十三年十二月二十八日に行い、これにより個人住宅の防音工事を進めていると聞いているがその進捗状況はどうか。右告示以降に建築される家屋にも防音工事はなされるのか。なされないというのであればその理由は何か。また右新築家屋にも防音工事をすべきであると思うがどうか。
この防音工事も一室または二室防音にすぎず、生活上不便であるし、暑い沖繩での密室生活、密室授業は身体に悪い影響を与えるので全室防音にすべきであると思うがどうか。
(5) 昼夜の別なく発生するこれらの航空機騒音を根本的に除去するためには、米軍基地を撤去するか、演習を中止させるべきであると思うがどうか。これらのことが直ちにはできないというのであれば、学校や民家の上空を低空で飛行しないようにすること及び夜間から早朝にかけての飛行を禁止すべきものと思うがどうか。
二 キャンプ・シュワブの廃弾処理場について
キャンプ・シュワブの廃弾処理場での廃弾処理によつて起こる爆風等による被害が名護市において発生している。
(1) 当該廃弾処理場を撤去すべきものと思うがどうか。
(2) 当該廃弾処理場での一回毎の廃弾処理の許容上限火薬量はいくらか。また米軍当局はこれを遵守しているか。
(3) 右の爆風等による被害の実態はどうなつているか。調査していないというのであれば早急に調査し、損害を賠償すべきであると思うがどうか。
三 伊江島射爆場の返還について
伊江島射爆場の返還はいつまでに実現する考えであるか、その返還の方針と実効ある措置を示されたい。
右質問する。
|