質問主意書

第91回国会(常会)

質問主意書


質問第二二号

父子家庭の福祉対策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十五年五月十四日

二宮 文造   


       参議院議長 安井 謙 殿


   父子家庭の福祉対策に関する質問主意書

 全国の父子家庭(父親と十八歳未満の子どもからなる家庭)は、十万余(全国社会福祉協議会調査)と推定され、その数は母子家庭のほぼ六分の一にあたつている。
 父親の年齢は、四十代がほぼ半数(四十七%)を占め、二十、三十代合計が三十%にのぼつており、十年前に比べて、若年層が増えていることを示している。
 このため、父親に慣れない家事、育児が課され、自己の職業との両立に多くの問題を来しているのが実態である。父子家庭問題が児童の健全育成の立場からも、社会問題化され、その福祉対策の充実が叫ばれる所以である。
 それにも拘わらず、国はこれらの家庭に何ら援助の手を差し伸べていない。
 そこで、父子家庭の福祉の充実のため、以下の諸点について質問する。

一 全国の父子家庭について、世帯数、生活の実態、地方公共団体の単独事業等について調査する考えはないか。

二 市区町村ごとに家事援助員(仮称)を設け、日常の家事援助を行うとともに、生活の相談、助言等にあたらせる考えはないか。

三 父子家庭の父親に対し、育児、養育、養護、教育のための休暇の制度化を検討する考えはないか。

四 所得税法及び地方税法において、所得控除として父子世帯控除を設ける考えはないか。

五 国民年金において、父子年金制度の創設、また厚生年金において、遺族年金の支給対象に六十歳未満のかん夫を加える等、制度を改善する考えはないか。

六 以上の新しい施策のほか、既存の施策の活用、改善等で父子家庭の福祉の目的が達せられるものがあれば、併せて答弁願いたい。

  右質問する。