第91回国会(常会)
質問第一四号
木材価格の安定に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。 昭和五十五年四月十二日 二宮 文造
木材価格の安定に関する質問主意書 我が国の森林・林業は、狭小な国土にあつて、再生産の可能な資源である木材等の林産物の供給を通じて、公益的機能を発揮し、経済の発展と国民生活の向上に重要な役割を果してきた。今後においても産業の発達、国土の開発、都市化の進展等に伴つて、森林・林業に対する国民の要請はますます強まりをみせるものと考えられている。
一 木材価格高騰の原因及びその対策について (1) 今回の木材価格の高騰は、外材産地価格がその引金となつているといわれているが、国内価格は輸入価格をはるかに上回つて上昇している。政府はこの原因をどのように分析し、対処しているか。
二 木材価格調査の公表について 大蔵省は、先に輸入物価の推移をこれまで以上にきめ細かく追跡するほか、海外における現地価格の動向、通関時の輸入価格と国内の末端流通価格との関係などを調査し、物価上昇の原因や不当な価格つり上げがないかを分析するよう各機関に指示したとのことであるが、この調査の公表手法及び時期を明らかにされたい。なお、問題が生じた場合はどのような是正策をとる用意があるのか。 三 林業の振興について 民有林の造林等については、国の補助及び融資等による助成策がとられてはいるが、政府の樹立した諸計画に対して、その達成率は低い。木材需給の恒久的な安定を図るためには、なお一層の造林・林道等に対する助成を強化し、資源の充実に努める必要がある。とくに、近年における間伐材販売の不振による初期収入の減少が造林投資を手控えさせていること、また、公益的機能の負担のあり方などからみても更に造林等に対する超長期・超低利資金の貸付制度を創設する必要があると思われるがどうか。 四 木材の有効利用技術の確立及び流通機構の整備等について 林木から製品に至るまでの間に生じている木材の浪費を総合的に排除し、国産材の供給力の増大を図るため、政府は需要に見合つた林木の仕立て方及び利用率・付加価値を高める採材・製材等の一貫した木材有効利用技術の確立とその指導、普及ならびにそれに対応した流通機構の整備等に対し、一層助成を強化すべきであると考えるがどうか。 五 木材廃棄物の再生利用について 木材資源の重要性にかんがみ、廃棄された古材及び古紙の再生利用に関する技術開発のための試験研究体制の充実を図るとともにその実用化に当つての助成措置を強化すべきであると考えるがどうか。 六 森林資源等の重要性に関する広報について 森林の効用については言うに及ばず、生産に超長期を要する木材の使用についても、国民にその有効利用の重要性を認識させるための広報活動を強化すべきであると考えるが、今後の方針はどうか。 七 木材の輸入について (1) 木材の輸入量は、連年増大し、国内需要の七割近くを占めるに至つている。現在「需給の長期見通し」等について、計画を改定中と聞いているが、将来における我が国の木材自給率の目標をどの程度に設定しているのか。
右質問する。 |