第88回国会(臨時会)
答弁書第四号
内閣参質八八第四号 昭和五十四年九月十一日 内閣総理大臣 大平 正芳
参議院議員喜屋武眞榮君提出インドシナ難民問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員喜屋武眞榮君提出インドシナ難民問題に関する質問に対する答弁書 一について 昭和五十年以降、我が国に一時上陸した難民は、二千八百五十七人(上陸後我が国で出生した者五十三人を含む。)で、我が国滞在中に死亡した二人及び日本に定住した三人を除く二千八百五十二人のうち、千七百二十一人が既に出国し、千百三十一人がなお我が国に一時滞在中である。難民の出国先は、アメリカ千二百四十五人、カナダ百五十九人、ノルウェー八十八人、ベルギー六十一人、イギリス四十六人、スイス四十一人、パラグァイ三十二人、フランス二十二人、その他二十七人となつている。
二について 政府は、当面五百人を目途にインドシナ難民の定住の実現に努めているが、今後定住化の進ちよく状況に応じ、定住枠を弾力的に漸次拡大を図ることとしている。
三について インドシナ難民問題に関し、関係省庁が緊密な協力の下に一体となつて取り組み所要の対策の推進を図る体制を強化するため、本年七月、内閣にインドシナ難民対策連絡調整会議を設け、同会議議長直属の事務局を置く等の措置を講じたところであるが、今後とも関係各省の緊密な連携の下に、インドシナ難民の定住促進対策を推進していく所存である。 四について 我が国におけるインドシナ難民の定住を一層推進するため、日本語教育、職業指導、職業あつ旋等を含めた総合的な難民定住促進対策を実施することとし、目下その準備を整えつつあり、可及的速やかに実施したい。 五について 現在、我が国に定住許可を申請中のインドシナ難民の数は、六十三家族二百四十六人である(昭和五十四年九月六日現在)。
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