第88回国会(臨時会)
答弁書第二号
内閣参質八八第二号 昭和五十四年九月十一日 内閣総理大臣 大平 正芳
参議院議員安恒良一君提出株式会社電業社機械製作所の労使紛争に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員安恒良一君提出株式会社電業社機械製作所の労使紛争に関する質問に対する答弁書 一及び二について 1 株式会社電業社機械製作所(以下「会社」という。)の三島工場においては、昭和五十年一月、総評全国金属労働組合静岡地方本部電業社支部(以下「全金電業社支部」という。)と会社との間に、団体交渉の労働組合側出席者の範囲を巡つて交渉拒否問題を生じたことを直接の契機として、以後団体交渉、賃金引上げ、夏季一時金の支給、警備員の雇用等の問題について種々の労使紛争が生じ、団体交渉、賃金引上げ、夏季一時金の支給等の問題については昭和五十年十二月、静岡県地方労働委員会(以下「静岡地労委」という。)のあつ旋により、残余の問題については昭和五十二年八月、労働協約の締結により、それぞれ一応の解決をみたが、その後、労使紛争が再燃し、現在主として定年退職者の再雇用、昇給・昇格、団体交渉等の問題に関し労使紛争が継続していると聞いている。
(一) 組合員に対して夏季一時金の支払いが行われていないとして昭和五十年七月十七日に行われた申告については、監督を実施したところ労基法違反は認められなかつた。
5 静岡県三島警察署において受理した告訴等の取扱い状況は次のとおりである。 (一) 会社構内に立つていた組合旗を会社側が昭和五十年六月三十日に撤去したとして告訴のあつた窃盗事件については、被疑者九名を取り調べ、同年十月二日、静岡地方検察庁沼津支部(以下「地検沼津支部」という。)へ送付した。本件については、地検沼津支部において不起訴処分に付されている。
6 昭和五十年以降、静岡地方法務局が受理した人権侵害の申告は二件あり、一件は、会社が全金電業社支部の組合員に対し日付け空白の退職願等の提出を強要したというものであり、人権侵犯の事実が認められたので会社及び三島工場の代表者に対し説示した。他の一件は、会社が同組合員に対し組合からの脱退強要等の人権侵害を行つているというものであり、現在調査中である。 三について 会社の昭和五十五年三月期における年間の売上高は、現時点においては明らかではないが、最近二年間の売上実績を見ると、昭和五十二年度は百三十三億円、昭和五十三年度は百二十八億円であり、両年度ともその約八割が官公需関係の受注であると聞いている。
四について 政府としては、従来から関係機関を通じ、会社に対して必要な助言、指導を行うとともに、違法な行為については厳正な措置を行つてきたところであるが、今後とも必要に応じ労使の話合いを促進する措置を講ずる等紛争の早期かつ円満な解決のために努力してまいりたい。 |