質問主意書

第87回国会(常会)

答弁書


答弁書第一二号

内閣参質八七第一二号

  昭和五十四年四月十三日

内閣総理大臣 大平 正芳   


       参議院議長 安井 謙 殿

参議院議員喜屋武眞榮君提出沖繩県における混血児の無国籍問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員喜屋武眞榮君提出沖繩県における混血児の無国籍問題に関する質問に対する答弁書

一について

 日本人母と外国人父との間に出生した嫡出子について無国籍が生ずるのは、各国の国籍法令が整合していないことに原因がある。
 ちなみに、アメリカ合衆国移民及び国籍法第三百一条a項七号によれば、アメリカ合衆国国籍を有する父が一定の居住要件を欠くときには、子はアメリカ合衆国国籍を取得しないものと定められており、また、かかる子は、出生によつては当然には我が国の国籍を取得するものとはされていないため、無国籍となる事態が生ずる。
 なお、沖繩県内に在留する無国籍者で外国人登録を行つている者は昭和五十三年十二月末日現在七十九名いる。

二について

 帰化許可の申請については、国は、手数料を徴していないが、無国籍児の場合であつても帰化許可の申請をするには、帰化に必要な条件を備えていることを証する書類を提出することを要し、それらの書類を準備するのに若干の費用を要するとしても、そのような費用を国が負担することは、その性質上、相当でないと考える。

三について

 国籍法第六条第二号は、日本国民の子であつて、日本に住所を有するものについては、簡易に帰化許可ができるものとしており、また、その手続も簡易化されているので、国籍法の改正をすることなく、運用上十分対処できるものと考える。