質問主意書

第87回国会(常会)

答弁書


答弁書第九号

内閣参質八七第九号

  昭和五十四年五月十八日

内閣総理大臣 大平 正芳   


       参議院議長 安井 謙 殿

参議院議員秦豊君提出成田空港建設に係る上下水道の整備に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員秦豊君提出成田空港建設に係る上下水道の整備に関する再質問に対する答弁書

一について

(1) 新東京国際空港公団(以下「公団」という。)において新東京国際空港(以下「新空港」という。)の建設に関連する事業である水道事業及び下水道事業に係る事務を分掌していた組織の変遷は、次のとおりである。

昭和四十一年七月三十日から昭和四十二年六月三十日まで 計画部計画第一課
昭和四十二年七月一日から昭和四十四年九月三十日まで  計画部総合計画課
昭和四十四年十月一日から昭和四十八年四月三十日まで  建設管理部関連事業課
昭和四十八年五月一日から               工務部管理課

(2)及び(3) 御質問の事務の内容は、北総地区水道事業及び印旛沼流域下水道事業に関する千葉県との連絡に関すること、新空港からの下水を印旛沼流域下水道へ排除するための下水道(以下「新空港下水道」という。)の建設に関すること等であり、公団においては、職責を果たし得る者を担当課長として配置している。

二について

(1) 千葉県新東京空港警察署の開設は、昭和五十三年二月十八日であると聞いている。
(2)及び(3) 千葉県新東京空港警察署に係る上水及び下水については、千葉県が公団に所要の経費を支払つて、上水は公団から給水を受け、下水は公団の下水道に排除していると聞いている。

三について

(1)から(4)まで 千葉県が北総地区水道事業の経営について認可申請をした日は、昭和四十五年三月二十八日である。当該認可の当時、新空港は当該水道事業の給水区域に含まれていなかつた。
 千葉県が、水道法第十条第一項の規定により、当該水道事業の給水区域を成田市三里塚の一部に拡張することについて認可申請をした日は昭和五十三年三月二十八日であり、厚生大臣が当該申請に対し、認可した日は同月二十九日である。
 また、事業計画書に記載された給水開始の予定年月日は、当該水道事業の施設を使用しての給水に係るものと承知している。
(5)から(7)まで 千葉県は、水道法第十三条第一項に規定する手続を経た後、昭和四十七年一月十七日に、公団に対して給水を開始し、公団は、同県の請求に応じて料金を支払つたと聞いている。
(8) 水道事業の経営及び水道法第十条第一項に規定する事業の変更が認可を要するとされているのは、水道事業が国民の日常生活に必要な水を供給する公益事業であり、恒常的な施設を必要とするものであることにかんがみ、あらかじめ計画の段階からその内容を審査する必要があるからである。
(9)及び(10) 御指摘の交渉が開始されたのは、昭和四十三年秋頃であつたと聞いており、また、協定書においては、新空港に上水が供給される時期は、昭和四十六年四月一日を目途としていたと聞いている。
(11)及び(12) 公団は、昭和五十三年四月一日、千葉県水道事業の設置等に関する条例が改正されたことに伴い、千葉県水道局長に対して給水契約の申込みを行つたと聞いている。
(13) 御指摘に係る施設は、水道法にいう送水施設である。
(14)から(17)まで 公団は、昭和四十六年八月五日、専用水道の布設工事に関し、水道法第三十二条の規定による確認を受けており、当該確認に係る工事設計書に記載された工事の着手及び完了の予定年月日は、それぞれ同年七月二十六日及び昭和五十一年三月三十一日であると聞いている。
 また、御質問の届出は昭和四十七年九月二十六日に行われ、当該届出によれば給水開始予定時期は同年十月一日とされており、御質問の検査は給水開始前に行われたと聞いている。

四について

(1)及び(2) 印旛沼流域下水道事業については、建設大臣が旧都市計画法第三条第一項の規定に基づき、昭和四十三年十二月二十八日、印旛沼流域都市計画第一号下水道事業として都市計画事業の決定を行つた。
 当該都市計画事業は、都市計画法施行法第三条第一項の規定により現行の都市計画法の規定による都市計画事業とみなされている。したがつて、同法第五十九条第二項の規定による認可は必要とされていない。
(3) 印旛沼流域下水道事業の進ちよく状況は、管きよについては計画延長のおおむね六割程度が完成しており、終末処理場については建設予定の二箇所のうち一箇所において下水処理を開始している。
(4) 印旛沼流域下水道事業については、当初、昭和四十三年度から昭和四十六年度までに執行すべき事業となつていたが、その後、事業規模を拡大したことにより工事の完成が延びたものである。
(5) 流域関連公共下水道の予定処理区域外における飛行場等からの下水を流域下水道に流入させることは、下水道法第二十五条の九及び下水道法施行令第十七条の五の規定の予定するところである。

五について

(1)から(7)まで、(9)及び(10) 新空港下水道の建設は、公団の委託を受けて、当時の千葉県北総開発局が行つたものであると聞いている。
 当時同局は、印旛沼流域下水道の建設を行つており、新空港下水道は、当該流域下水道に接続する下水道として建設されたものであると聞いている。
 なお、御指摘の下水道の構造に関し、特段の問題は生じていないと聞いている。
(8) 公団は、その業務に関する基本的な規則として、新東京国際空港公団法第二十四条の規定により、業務方法書を作成しなければならないこととされている。