質問主意書

第87回国会(常会)

質問主意書


質問第二五号

人工膀胱に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十四年六月十三日

小巻 敏雄   


       参議院議長 安井 謙 殿


   人工膀胱に関する質問主意書

 近年、膀胱腫瘍などで膀胱の全摘手術をうける患者も多くなつており、また、医学の進歩によつて、この手術で一命をとりとめる患者も多い。
 しかし、手術にともなつて必然的に装着することになる人工膀胱の採尿器具等は、生命維持のため終生装着せねばならず、余病併発防止にも必要な器具である。
 人工膀胱を装着する者は、入浴は極めて不自由であり、下半身を湯舟につけることも危険をともなう。就寝時は、寝がえりなど困難であり、また、特別な装置が必要であり、旅行も困難であるなど日常生活上の諸問題が発生している。
 この人工膀胱(採尿器具)は、保険給付の対象とはならず、器具はたびたびとりかえる必要があるにもかかわらず自己負担であり、経済的負担も軽視できない。
 人工膀胱について、以下の点を政府に質問する。

一 膀胱切除術を受けた者および人工膀胱造設術を受けた者はどれくらいいるか。

二 人工膀胱および人工肛門用の新器具の開発に国も援助する必要があると思うがどうか。

三 治療(手術)と採尿器具の装着は、全く不可分のものである。また、人工膀胱は生命維持の活動に不可欠である。この理由により、人工膀胱を保険給付の対象にすべきと思うがどうか。

四 人工膀胱、人工肛門装着者で、障害年金が支給されている者は何人いるか。厚生年金、国民年金別に答えられたい。
 また、厚生年金の障害年金は、一般的に三級が適用されているが、国民年金では何故、障害年金が適用されないのか。どういう場合に適用されるのか。

  右質問する。