質問主意書

第87回国会(常会)

質問主意書


質問第三号

大平内閣による成田問題解決への基本的アプローチに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十四年一月十二日

秦 豊   


       参議院議長 安井 謙 殿


   大平内閣による成田問題解決への基本的アプローチに関する質問主意書

 成田空港が暫定開港である以上、成田問題は現在的な課題であることに変わりはないと思料されるところであるが、大平正芳首相御自身の成田問題への対処についての御見解が、何故かいまだに明らかにされていない。
 一方、福田前首相やその周辺は、福田内閣下にあつて既に成田問題の本質にお気づきになられ、本格的解決への入口に到達されていたやに拝察される。
 そこで、成田問題解決への基本的アプローチに対する大平首相御自身の御見解を以下賜りたい。

一 福永前運輸相の強行方針により名目的な開港を余儀なくされた成田空港も、暫定開港である以上、なおも現在的課題であると思料されるが、大平内閣にあつては、成田問題は既に決着ずみの問題であり、積極的に乗り出すまでもないとして、なりゆきまかせに放置されるのか。放置されるとすれば、それでよしとする理由を説明されたい。

二 「基本的人権の保障」を核心とした「法の支配」のもとで成田問題を解決することに御異議があれば、その理由を説明されたい。

三 事実に即し真実を明らかにする中で、成田問題を解決することに御異議があれば、その理由を説明されたい。

四 適正かつ合理的に成田問題を解決することに御異議があれば、その理由を説明されたい。

五 成田問題を適正かつ合理的に解決するのであれば、単に成田問題だけを状況から切りはなして処理することは不可能であつて、羽田空港や大阪空港に係る問題、国際空港の国内的配置の問題、日米航空協定の改定交渉に係る問題、或いは国内航空体系の問題、更には国内交通体系の問題などへの影響は必至である。これらが逆に成田問題の処理を規定する要因ともなり得ると思料されるが、成田問題を、これだけ切りはなして解決できるとするのであれば、その理由を説明されたい。

  右質問する。