第84回国会(常会)
答弁書第二二号
内閣参質八四第二二号 昭和五十三年六月三十日 内閣総理大臣 福田 赳夫
参議院議員藤原房雄君提出国内鉱山の維持助成に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員藤原房雄君提出国内鉱山の維持助成に関する質問に対する答弁書 一について 先の第八十四回国会の衆議院商工委員会において、金属鉱業政策に関する決議がなされ、また近い将来、鉱業審議会は、同審議会鉱山部会に設置された鉱業政策懇談会の報告を踏まえて、通商産業大臣あて建議をする予定である。これらを踏まえて、早急に、国内金属鉱山対策を検討してまいりたい。 二について 最近の国際相場低迷と円相場の高騰により非鉄金属鉱業の経営環境は悪化しつつある。こうした中で国内鉱山が存続していくには、鉱山自体の自助努力と並行して、その経営安定化のための対策を講ずる必要があると考えているが、国内において目標とすべき生産の規模については、可採粗鉱量、探鉱成果等が年々変動する性格を有するものであるため、明示的に設定することは困難である。 三について (イ) 御指摘の国内鉱山維持調整基金構想については、企業の経営責任との関連、財源等からみて現実的ではないと考えている。
四について (イ) 国内製錬所の経営の悪化は、御指摘の電気料金等、エネルギーコストの上昇もあるが、製品価格の暴落、円相場の高騰、需給の悪化等も大きな要因となつている。これに対処するため、エネルギーの効率的な使用、条件製錬費の改善等を指導するとともに、備蓄制度の活用等を行うことにより、需給の安定を図つてまいりたい。
五について 金属鉱山所在地域に係る地域対策としては、昭和五十三年度から新たに特別誘導地域制度を創設し、これに疲弊の著しい金属鉱山所在地域を含めることとするなど、諸種の対策を講じているところであるが、地域の疲弊に対処するためには、地域経済に重要な役割を果たしている鉱山の経営の安定化を図ることがまず重要と考えており、今後ともこれら施策を推進することにより、地域経済社会の安定を図つてまいりたい。 |