質問主意書

第84回国会(常会)

答弁書


答弁書第五号

内閣参質八四第五号

  昭和五十三年一月十三日

内閣総理大臣 福田 赳夫   


       参議院議長 安井 謙 殿

参議院議員喜屋武眞榮君提出パーキンソン病の難病指定等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員喜屋武眞榮君提出パーキンソン病の難病指定等に関する質問に対する答弁書

一について

 現在、原因不明、治療方法未確立であり、かつ、後遺症を残すおそれが少なくない疾病を特定疾患とし、これら特定疾患について、調査研究の推進、医療費の自己負担の解消及び医療機関の整備の三点を柱として対策を推進している。ただし、既に別個の対策の体系が存するものについては、この対策の対象から除外している。
 昭和五十二年度において医療費の自己負担解消のため治療費補助を行つている特定疾患は、ベーチェット病、多発性硬化症、重症筋無力症等の十九疾患である。

二から四までについて

 パーキンソン病については、昭和五十一年度以降、全国の専門家によつて構成される調査研究班を設置し、原因究明及び治療方法の確立のため、患者の実態の調査を含めて調査研究を進めてきたところであり、医療費の自己負担解消のための治療費補助については昭和五十三年度から行うことを検討している。
 なお、患者に対する療養生活指導については、それに要する人材確保等の点で問題があり、当面行うことは困難である。

五について

 パーキンソン病の診断及び治療については、神経内科を有する医療機関において行われている外、その他の医療機関においても内科、神経科等各種の診療科の連携の下に行われており、今後とも推進を図つてまいりたいが、国公立の神経病院を全国各地に設置することは考えていない。また、専門の医師については、前述の調査研究班の研究成果の普及等を通じ、その育成に努めているところである。