質問主意書

第84回国会(常会)

質問主意書


質問第二号

連鎖販売取引の弊害についての対策等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和五十二年十二月二十日

村沢 牧   


       参議院議長 安井 謙 殿


   連鎖販売取引の弊害についての対策等に関する質問主意書

 連鎖販売取引(マルチ商法)による販売形態がわが国に移入されて以来、商行為に未経験な学生、主婦等の層が勧誘の対象となり、各種の弊害が発生するようになつたため、昨年、訪問販売等に関する法律が施行されて、これについて一定の規制が行われるようになつた。
 しかしながら、業者の中には、加入者の契約解除の申出に対して誠意をもつて対応しないために紛争を生じている事例が少なくない。
 特に、家庭用洗剤等の販売を行つているベストライン・プロダクツ・リミテッド(国内本店所在地、東京都港区西麻布四丁目十六番十三号、代表者ジェームス・アール・アーノット、ダニエル・リー・ルイス)は、加入契約において契約の解除条項を明記しているにもかかわらず、加入者の契約解除の申出に応じなかつたり、解除にともなう商品代金の返還についても一方的に少額の分割払いを提示するなど契約条件を誠実に履行しようとする態度が見られない。
 こうした実情にかんがみ、加入者の保護をはかるため連鎖販売取引に関し、所管庁の強力な行政指導を要望するとともに以下の点について質問する。

一 連鎖販売取引をめぐる問題の発生について所管庁は現在までどのような対策を講じてきたのか。

二 ベストライン・プロダクツ・リミテッドの加入者の契約解除の状況と、解除条件の実情はどのようになつているのか。

三 同社の場合、契約解除を申し出た加入者に対して速やかに解除に応ずるよう、所管庁は同社に対し必要な措置をとるべきではないか。

四 同社が契約解除に応じたものに関する商品代金については、一括して返還させるよう強く指導すべきではないか。

五 同社に対する契約解除の申出のうち、訪問販売等に関する法律で定める解除期間(十四日)内のものについては、商品代金の返還等の措置を優先して行わせるよう特に強力な指導をすべきではないか。

  右質問する。