第82回国会(臨時会)
答弁書第五号
内閣参質八二第五号 昭和五十二年十一月一日 内閣総理大臣 福田 赳夫
参議院議員秦豊君提出三原防衛庁長官の訪米をめぐる問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
参議院議員秦豊君提出三原防衛庁長官の訪米をめぐる問題に関する質問に対する答弁書 一について 先般の三原防衛庁長官の訪米は、防衛庁長官と米国防長官が原則として年一回会談するとの昭和五十年八月の坂田・シユレシンジヤー会談の際の合意に基づき、相互に関心のある防衛問題に関し、意見の交換、卒直な対話を行い、相互の理解を深めることを目的としたものであり、何か特定の課題について話合いを行い、結論を得てくるというものではなく、この趣旨の下に、アジアの軍事情勢及び米国のアジア戦略等についても話し合つた。 二について 三原防衛庁長官は、いわゆる米国のアジア離れについて直接打診したわけではないが、全般の話を通じて米国は、アジアを軍事面ばかりでなく、政治、経済等あらゆる面で重視しており、一部の人が言うようにアジア離れというようなことは感じられなかつたとしている。
三について 三原防衛庁長官が今回の訪米時に会談したのは、H・ブラウン国防長官、Z・ブレジンスキー大統領特別補佐官、C・ヴアンス国務長官、J・C・ステニス上院軍事委員長、M・プライス下院軍事委員長等であり、また、陸・海・空軍各施設を視察した際、太平洋軍司令官M・F・ウイズナー海軍大将、大西洋軍司令官I・C・キツドジユニア海軍大将等とも懇談した。 四について 三原防衛庁長官は、「日本にとつて重要なことは、有効に防衛力を発揮できる態勢を維持することである」といつた趣旨のことを発言したが、これは、我が国は、「防衛計画の大綱」等に従い、我が国自ら、適切な規模の防衛力の整備を行い、これを最も効率的に運用し得る態勢を保持する努力を続けることを意味している。 五について 日米事務レベルの交流については、安全保障問題に関する日米間の各種の事務レベルの話合いの場の一層の活用を考えている。 |