質問主意書

第80回国会(常会)

答弁書


答弁書第二九号

内閣参質八〇第二九号

  昭和五十二年六月二十一日

内閣総理大臣 福田 赳夫   


       参議院議長 河野 謙三 殿

参議院議員星野力君提出沖繩県における水源の保護に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員星野力君提出沖繩県における水源の保護に関する質問に対する答弁書

一及び三について

 沖繩県における水源かん養のための保安林については、復帰後、全国森林計画沖繩ブロック計画において、その指定計画量を定めるとともに、沖繩県に係る第二期保安林整備計画に基づき、指定のための調査を実施し、指定の促進に努めてきたが、その一環として、局所的な用水不足の予想される地域において、ため池等の周辺の森林で保水機能が高いと認められるものを干害防備保安林として指定した。今後とも同県における水源かん養のための保安林の指定の促進に努めることとしたいが、地位協定に基づき米軍に提供している施設・区域内の森林については、保安林制度の目的の達成と施設・区域の提供目的の達成との間の調整につき困難な問題があり保安林として指定する考えはない。

二について

 沖繩県に係る第三期保安林整備計画については、昭和五十二年度において定めることとし、現在、沖繩県及び熊本営林局においてそのための調査を進めているところであり、その調査結果をもとに、受益対象、地域の事情等を十分勘案して同整備計画の作成に当たることとしている。

四について

(一) 米軍が施設・区域内において、その管理権に基づき戦車道を建設することについては、政府としてこれを中止するよう要請する考えはない。
 しかしながら、今回の戦車道の建設については、水源地の汚染等をもたらすおそれがあることが判明したので、米軍が施設・区域内において行う作業は、公共の安全に妥当な考慮を払つて行わなければならないとされていることにかんがみ、政府は米軍に対し被害の防止策を早急にとるよう申し入れたところである。また、これら被害の防止の緊要性にかんがみ、防衛施設庁において、浄化装置の設置等所要の被害の防止策を講じている。
 政府としては、今後とも周辺住民の生活に対する被害の防止につき万全の措置を講じていく考えである。
(二) 政府としては、米軍に提供している施設・区域内に水源地がある場合には、その利用を確保するため、米側と十分調整していく方針であるが、日米安保条約の目的遂行に必要な施設・区域について、その中に水源地があるとの理由のみからその返還を求める考えはない。