質問主意書

第80回国会(常会)

答弁書


答弁書第二七号

内閣参質八〇第二七号

  昭和五十二年六月十四日

内閣総理大臣 福田 赳夫   


       参議院議長 河野 謙三 殿

参議院議員沓脱タケ子君提出魚価の値上がり防止等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員沓脱タケ子君提出魚価の値上がり防止等に関する質問に対する答弁書

一について

 最近における一般物価水準は安定的に推移しており、また、魚価も日ソ漁業交渉の妥結、多獲性魚の水揚量の回復等により下落傾向を示しており、「国民生活安定緊急措置法」に規定する事態ではないので、同法を発動することは考えていない。

二について

 今春来の魚価高は、多獲性魚の不漁、日ソ漁業交渉の再度にわたる中断による供給減少と先行き不安等需給事情の大幅な変化によるものであると考えている。
 また、これまでの在庫調査からは、大手水産会社等によつて過大な在庫が保有されている事実は認められず、需給や価格形成上問題となるような点は認められなかつた。
 更に、最近の魚価は、日ソ漁業交渉の妥結、多獲性魚の水揚量の回復等により下落傾向を示しており、現段階では「生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律」を発動することは考えていないが、今後とも、引き続き魚価・入荷量・在庫等の動きを調査・監視し、価格の安定に万全を期することとしている。

三について

 二百海里時代に対処し、我が国漁業の新たな展開を図るためには、我が国周辺水域における水産資源の維持培養及びその高度利用を図ることが重要である。このような観点に立つて、沿岸漁場の整備開発の一層の促進を図るとともに、さけ・ますふ化放流事業を含む栽培漁業、増養殖の拡充強化等により、いわゆる「つくる漁業」の発展を期していくこととしたい。

四について

 水産物の有効利用を図るため、水産物の利用加工に関する基礎的調査研究を引き続き実施するとともに、昭和五十二年度からは、新たに、既存漁獲資源の高度利用及び未利用資源(オキアミ)の新規利用に関する技術開発等を行うこととしているところであり、今後とも水産物の有効利用に関する調査研究を一層推進していく考えである。