第80回国会(常会)
答弁書第二四号
内閣参質八〇第二四号 昭和五十二年六月二十一日 内閣総理大臣 福田 赳夫
参議院議員喜屋武眞榮君提出沖繩県の地籍問題等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員喜屋武眞榮君提出沖繩県の地籍問題等に関する質問に対する答弁書 一について 政府としては、沖繩県における米軍施設及び区域の占める割合が大きいことにかんがみ、県民の要望及び地元振興開発計画等と日米安全保障条約の目的達成との調和を図りながら、従来から米軍施設及び区域の整理統合を推し進めてきたところである。その結果、第十四回、第十五回及び第十六回日米安全保障協議委員会において米軍施設及び区域の整理統合計画が了承された次第である。
二について 沖繩県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法(以下「法」という。)第二条第二項の規定により沖繩開発庁長官又は防衛施設庁長官のいずれが法に基づく実施機関の長としての権限を行使するかは、それに係る土地が駐留軍用地等であるかどうかによつて定まることとされているが、同条第三項において、駐留軍用地等の範囲が明定されているので、それぞれが権限を行使する地域が競合することは、あり得ないものと考えている。
三について (1) 土地の位置境界明確化のための計画の策定に当たつては、必要に応じ、沖繩県知事及び関係市町村長の意見を聴き、計画に反映させる考えである。
四(1)及び五について この法律は、関係土地所有者全員の協力と自主的な協議による土地の位置境界の確認により、土地の位置境界の明確化を図ることを基本としているものと考えており、政府としても、法の運用に当たつては、法第十条、第十一条、第十三条等の規定を十分活用し、関係土地所有者の位置境界の明確化を積極的に援助することによつて十分成果が得られるよう努める考えである。
四(2)について 土地の位置境界の確認に当たつて、現地立会は必須の条件であることにかんがみ、米軍施設及び区域内の土地の位置境界を現地に即して確認する場合に米軍施設及び区域内の場所を「立ち会うべき場所」とすることについては、日米合同委員会において基本的合意が行われているところである。
六について 法第十九条に定める返還地の利用促進のための措置を行うに当たつては、沖繩県知事及び関係市町村長とも十分協議をしてまいりたい。 七について 法第二十一条の交換又は買換えのあつせんには、国有地との交換又は買換えのあつせんも含まれるものと承知している。
八について 法第二十二条の規定による財政措置等の内容については、目下検討中であり、最終的には、位置境界不明地域の指定後、ある程度公共施設の実態を調査した上で定めることといたしたい。 九について (1) 沖繩における公用地等の暫定使用に関する法律により使用している土地が駐留軍等から返還された場合の原状回復については、同法第四条により措置される。
十について 法第二十四条に基づく土地の買入れは、現に駐留軍等の用に供されている土地の関係所有者からの買入れの申出に基づき、予算の範囲内において措置するものであるが、必要に応じ、沖繩県等の土地利用計画にも配慮することといたしたい。 十一について 沖繩開発庁長官の権限に属する事務の一部は、沖繩総合事務局長及び沖繩県知事に委任する考えであるが、その範囲については現在検討中である。
十二について 政府としては、法の運用につき十分な配慮を払いながら、所期の目的を達成するよう努力する所存である。 |