質問主意書

第80回国会(常会)

答弁書


答弁書第一七号

内閣参質八〇第一七号

  昭和五十二年五月二十日

内閣総理大臣 福田 赳夫   


       参議院議長 河野 謙三 殿

参議院議員近藤忠孝君提出厚生省の認めた基準看護を実施する医療機関における頸髄損傷等重症な労働災害被災者の付添看護に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員近藤忠孝君提出厚生省の認めた基準看護を実施する医療機関における頸髄損傷等重症な労働災害被災者の付添看護に関する質問に対する答弁書

一について

 労働者災害補償保険(以下「労災保険」という。)における看護の給付の取扱いについては、健康保険における取扱いに準じているところである。
 健康保険における基準看護の承認を受けている医療機関(以下「基準看護病院」という。)については、当該基準看護病院所属の看護婦等により入院患者に必要な一切の看護が確保されることとなつているところから、労災保険においても、基準看護病院に入院療養する場合には、健康保険における取扱いと同様、当該基準看護病院に勤務する看護婦等以外の看護担当者による看護は原則として認めていない。

二及び三について

 労働災害を被つた労働者には、せき髄損傷、頭部外傷等の傷病労働者が多いという実態にかんがみ、特に看護の必要度の高いこれらの傷病労働者を多数収容することとなる基準看護病院については、全体的に看護体制の低下を招くこととなるおそれがあることから、労災保険においては当該基準看護病院に勤務する看護婦等以外の看護担当者による特別看護を認め、所要の看護料を支給しているところである。

四及び五について

 基準看護病院は、患者の病状に応じ一切の看護を行うものであることが建前となつている。
 しかしながら、労災保険に係るせき髄損傷、頭部外傷等のように特に看護の必要度の高い傷病労働者を多数収容する基準看護病院については、全体的に看護体制の低下を招くおそれがあるところから、これを補うために一定の基準を設けて特別看護を認めてきたとろであり、一定の基準に満たない場合にまでこの制度を拡大することは考えていない。

六について

 労災保険の看護料の算定基準は、健康保険の看護料の算定基準に準じて取り扱つているところであり、今後ともその動向をみて所要の措置を講じてまいりたい。